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『F1テクノロジーの最前線 <2010年版>』 [☆☆]

・タイヤのグリップを1%向上させた場合のラップタイムへの貢献度は、エンジンの出力を1%向上させた場合の3倍という試算もあります。

・オーバーステアはスピンにつながりやすいので、市販車では弱いアンダーステアとするのが一般的です。

・わが国では75kgの物体を1秒間に1m動かすときの仕事の量を「1馬力」と呼んでいます。

・自動車に用いられているレシプロ・エンジンの場合、出力はトルク(クランクシャフトを回す力)と回転数(1分間当たりのクランクシャフトの回転数、単位はrpm)の積で表されます。従って、出力を上げるには、(1)トルクを増やす、(2)回転数を上げる、の2 点について、それぞれ策を講じればよいということになります。

・トルクを増やすということは、「1回の爆発当たりの圧力を高める」ということであり、そのもっとも容易な方法が、エンジンの排気量を大きくして、燃やす混合気の量を増やすというものです。

・通常のエンジンでは、バルブはカムで押されて開き、コイルスプリングの力で閉じますが、F1エンジンではスプリングがなく、圧搾空気の力を利用しています。この方式は「ニューマチック」と呼ばれ、1986年にルノーが最初にF1界に導入しました。

・F1では、冷却水に圧力をかけることで、通常は100度の沸点を130度前後まで高め、これによって得られた向上分を、ラジエターの大きさを抑えることに振り向けています。

・ダウンフォースの大きさは、現在のF1マシンの重量の3倍以上に当たり、よくいわれるように「たとえ天地が逆になったとしても、その速度で走り続けるかぎり、マシンは落下することなく逆さまのまま走り続けられる」というのは、決して大げさな話ではありません。

・タイヤの内部には、ブリヂストンの場合はふつうの空気を充填しています(以前のミシュランは窒素ガスでした)。ただ、空気は水分を含んでいると温度の変化によって圧力が変化するため、乾燥させて水分を完全に除去した空気を使っています。



F1テクノロジーの最前線<2010年版> モータースポーツの頂点を彩る最新技術の秘密 (サイエンス・アイ新書)

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  • 作者: 檜垣 和夫
  • 出版社/メーカー: ソフトバンククリエイティブ
  • 発売日: 2010/02/18
  • メディア: 新書



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