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『「やめられない」心理学 不健康な習慣はなぜ心地よいのか』 [☆☆]

・ヘルシズムと呼ばれる極端な健康第一主義。

・タバコをやめたいときには、その準備として、自分が吸ってきたタバコの銘柄にこだわらず、いろいろな銘柄を吸うことも助けになる。特定の名称やパッケージデザインなどの持つ刺激の支配力が弱められるからだ。

・多くの喫煙者は自分の吸うタバコの銘柄にこだわっている。タバコの銘柄にこだわっているというのは、つまりは刺激に支配されているのではないだろうか。

・行動は単独では成立しないので、ある行動は、結果として次ぎの行動を引き起こす刺激を生み出す。そして、刺激によって引き起こされた行動が別の行動を引き起こすという連鎖状の関係にある。だからこそ刺激の支配力が強いのだ。

・「自分はできる」と期待している人は実際にできるのに、できると期待していない人は本当にできない。

・自分の食行動をまったく変えないで、健康にいいからと茶カテキンやポリフェノールが含まれているペットボトル飲料を飲んでいるだけでは、抜本的な病気の予防にならないのは明らかだ。

・最近の研究から、親や教師などの大人から無理やり食べさせられた経験は、生涯にわたって嫌いな食べ物を作りだすことがわかってきた。社会関係によって、ちょっとした好き嫌いが固定されてしまうのだ。

・食べることから楽しみが消えれば、それは自動車にガソリンを入れる作業と同じになる。

・人間は常に最善の選択をするわけではない。問題の解決ではなく、情動での解決を選択してしまう場合は多い。追い詰められた試験の直前に漫画を読みふけってしまい、さらに時間をロスすることもあるだろう。問題の解決は試験勉強だが、漫画を読んで情動の解決だけをはかってしまったわけだ。

・バーンアウトは人間関係へのあきらめの認知でもある。

・医師の立場からは「病気」という言葉は落ちつかない。病気は患者個人の経験のレベルであり、医療から考えるならば、生物学的現象を科学的に取り扱う「疾病」あるいは「疾患」という言葉がふさわしい。医師と患者のコミュニケーションの問題の底辺にはこの違いがある。

・医師の診察を受け、自分が「病気」だと判断されると、患者は病人らしくふるまう「病者役割行動」を示す。病人という存在は、自分の病気に一切の責任がない。また、すべての義務から解放され、他者に援助を求めることが許される。一方で、健康な人同士の社会的つながりから切り離される。

・肥満は特定の社会階層と歴然とつながっており、知識に接することが少なそうな人ほど健康状態に気をつかわず肥満が多く、実際に健康状態も悪そうだったのだ。

・健康に関連した知識には、医療に関連している人と、一般人の間に大きな差がある。そのことが、お昼のテレビ番組で取り上げられた食品が、スーパーマーケットから消えるほど売れる現象を生み出している。



「やめられない」心理学―不健康な習慣はなぜ心地よいのか (集英社新書 (0439))

「やめられない」心理学―不健康な習慣はなぜ心地よいのか (集英社新書 (0439))

  • 作者: 島井 哲志
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2008/04/17
  • メディア: 新書



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