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『姜尚中の青春読書ノート』 [☆☆]

・「例外」は「常態」を照らし出すといいます。つまり、いざというときに、人も社会もその本質を露にするわけです。

・いま必要なのは天使ではない。いま必要なのはサタンだ。天使を望むな。われわれはサタンを望む。

・前衛というのは、優れた知識人が大衆を指導し、社会は変革されていかなければならないし、そういう矜持をもった選ばれた人々、これがまさしく党のような組織をつくって、それによって社会を変えていこう、場合によっては暴力を使っていいという考え方です。

・前衛が前衛たらんとして、結局はピエロに終わったとき、人々の中から転向という現象が起きるのです。その行き着く先はどこなのか。醜態をさらす人もいれば、沈黙を守りながら過ごす人もいます。

・日本では、平和憲法を守るのは、愛国者だからだとはなかなか言えません。護憲を掲げる人々ほど、愛国という言葉に一瞬、とまどいを覚えると思うのです。「愛国」や「憂国」は右派の専売特許だというイメージが強いわけです。

・民主化と経済的な発展との間には必然的な関係があるというわけではない。

・すべての近代政治学概念は、神学概念の世俗化である。

・日本の場合、軍隊にしろ、官僚にしろ、最高のエリート集団でした。つまり、ゴロツキのようなあぶれ者や転向左翼、没落した小ブルジョア的な運動家たちが担い手となって社会を覆したイタリア、ドイツと違って、帝国の歴きとした超エリートコースを歩んだ指導者たちが戦争遂行の責任者だったわけです。

・飴と鞭(ビスマルク)ではなく、「涙の折檻、愛の鞭」。

・他国人を軽蔑して自ら一番利口だと信じて居るなり。神経衰弱の初期に興奮せる病的の徴候なり。



姜尚中の青春読書ノート (朝日新書)

姜尚中の青春読書ノート (朝日新書)

  • 作者: 姜 尚中
  • 出版社/メーカー: 朝日新聞出版
  • 発売日: 2008/04/11
  • メディア: 新書



タグ:姜尚中
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