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『全ての装備を知恵に置き換えること』 [☆☆]

・何が必要かを考える前に「何が必要でないか」を考え、徹底的に使い手の側に立った装備を提供する。

・現在では、切り身でできた魚の本来の形を知らない子供も多いらしい。そのような環境を大人が提供しながら、「自然を大切に」などという絵空事を子供に説いても説得力はゼロだ。

・まだ世界のことをよく知らないくせに、日本の社会に対して妙に冷ややかな視点を持っていた。

・アロハシャツとかりゆしウェアの違いは、アイロンをかけてパリッと着ているか否か、ということらしい。もちろんアイロンをかけて着るのはかりゆしウェアのほうだが、その違いはかなり微妙である。

・三つあるメインの登山道のうち比較的空いているのが須走口で、ぼくはたいがいこの入り口を利用する。須走口は、森を抜け、砂地を歩き、岩場を登る比較的変化があるルートだ。

・GPSをもち、スノーモービルで狩りをすれば効率はあがるが、五感は鈍化する。それは、すなわち自然の中で生きるための力が衰えていくことを意味している。

・北極圏では、サンドラッグと呼ばれる丸い虹が姿をあらわす。

・生死を賭けざるをえない場所では、酩酊の快楽を求める余裕はない。身体がねじれるような厳しい状況を切り抜ける直前直後にだけ、人は酒を飲む幸せをこころから求めるのだと思う。

・日本は過保護で押しつけがましい親切が横行する過保護な土地だから、安全管理ばかりが優先されたおもちゃのような施設が多い。

・『ニルスの不思議な旅』はもともと子供たちに易しく地理を教えるために作られた教科書だそうで、万人に広く受け入れられているものではなさそうだ。

・消費者優先の日本の過剰なサービス精神は言い換えれば、お客を子供扱いしているようなものだ。

・ヒマラヤの8000メートル峰に無酸素で登った場合、ボクシングで思いっきりKOされたくらいの脳細胞が死滅するといわれている。

・春先に起こる「雪送り」という現象を知っているだろうか? 山形なので見られるそれは、子グモが上昇気流に合わせてお尻から糸を出し、糸が空中高く舞い上がって、その浮力によってクモが飛行することをいう。

・はるか昔、地球上に新しい島ができたとき、そこに一番はじめにたどりついたのは風に乗ってやってきたクモだった。



全ての装備を知恵に置き換えること

全ての装備を知恵に置き換えること

  • 作者: 石川 直樹
  • 出版社/メーカー: 晶文社
  • 発売日: 2005/09
  • メディア: 単行本



タグ:石川直樹
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