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『残念な人の思考法』 [☆☆]

・自分には仕事より家族、趣味、あるいは夢が大事だ、と言う方もいるかもしれない。しかし、家族も、趣味も、夢も、仕事がうまく回っていることが前提で成り立つ。

・毎日朝早くから夜遅くまで会社にいる。やる気もあって性格もよい。しかし、一日が終わって「疲れた」状態になることを仕事が充実していると勘違いしているフシがある。

・人生は下りのエスカレーターを逆走しているようなものだ、と考えることがある。ただ立っているだけではどんどん下に行ってしまう。普通に歩いてやっと現状維持だ。しかし、二階に駆け上がると違った世界が見えてくる。

・全ては主観にすぎないことを思え。その主観は君の力でどうにでもなるのだ。したがって君の意のままに主観を除去するがよい。

・便利になったおかげで余剰時間が増え、別の経験が得られるということもある。

・現実には教育すれば何とかなる程度に十分なレベルの人材を、低賃金で不安定、かつそれが長期間続くことが想定される単純作業職として採用する、または就かせることは難しい。

・資本の論理の力が増してきたことと、情報システムが充実してきたことで、「作り出す仕事」と「こなす仕事」の二極化は拡大の一途をたどっている。しかも「こなす仕事」をやる人の割合が増えている。

・何でも国や企業が責任を持つべき、というような風潮が最近顕著であるが、それは何でも人のせいにすれば、とりあえず法律が守ってくれる、という短絡的な、自分の頭で考えない人を増やしていることになると言い換えられるかもしれない。

・普通に会社勤めをしていて、自分の仕事と少しでも比較してみれば、一億人の年金記録をすべて正確に、しかもID管理なしで管理することの大変さというか、非現実的さがわかると思う。

・そのことを自分の仕事と比して思いめぐらすこともなく、自己の年金支払い履歴を個人で記録することもなしに「国は何をやっているんだ、税金を払っているのに」と簡単に文句を言うのはどうだろう。こういうことを、まさに「思考停止状態」と呼ぶのではないか。

・首から下で稼げるのは1日数ドルだが、首から上を働かせれば無限の富を生み出せる。

・確かにおいしいパスタだが、混んでいるのは、おいしいから客が殺到するというよりも、効率が悪いから客が滞留する、というのが正しい理由だった。

・労働力を投入すること=仕事ではない。

・コンサルタントの立場としても、店の規模的にたいして報酬が期待できないから、提案する気にもなれない。自分では問題を見つけられず、他人からも指摘してもらえない。ここに、小規模事業の悲哀がある。

・どれだけボディをきれいにしたとしても、ホイールが汚れている車はなんとなくくたびれた感じに見えてしまうものである。

・ちょっとのことでも店に行く機会が増えたので、その分いろんなモデルに触れることで、アウディ車に詳しくなった(人は他との違いをよく知っているものを買うので、刷り込み効果は絶大だ)。

・私の車はアウディという会社にとっての「広告宣伝物」である。結局のところ洗車サービスもWIN-WINなのだ。

・現実問題として一度よいサービスを受けてしまうと、気づかないうちに当たり前になってしまい、それが与えられないときに初めて違和感として認識するのだ。

・高級ホテル、接待向けのレストラン、ブランドショップなどの従業員は、自らがそのサービスを利用する機会がマクドナルドほど多くはない。だから、一泊五万円のホテルに泊まるゲストが何を求めているのか、接待の席では本当のところ何がどのように行われているのか、実体験としてわからない。いきおい、そこで働く従業員は、「多分こうだろう」という想像や、上司・先輩から聞いた話に基づいてサービスをするしかない。

・「飲酒運転にならないよう、きちんと確認しなさい」と教育するだけでは従業員の実行を徹底させることはできない。伝票に「車・自転車確認」欄を設けることが、餃子の王将のすごさなのだと感じた。

・企業の「暗黙知」はチェックリストを作る過程で初めて明らかになる。それをノウハウとして共有、標準化することで、オペレーションは安定し、ビジネスの成長は加速する。

・ノウハウは公開してもまったく問題はない。なぜなら、大変なのは「実行する」ことだからだ。

・何を、どこで、誰に対して、いくらで、どれだけ売るかを考えるのが、マーケティングと呼ばれる仕事である。

・飛び込み営業は、正直、かなり迷惑である。多くの場合、新入社員の度胸試しも兼ねた営業トレーニングとして行われる。貴重な時間を使って、知らない会社の新人トレーニングに付き合わされるほうはたまったものではない。

・ゴールの見えない話し方をすると、残念なヤツだと思われる。

・PREP(プレップ)法とは、結論を示し(Point)、理由を述べ(Reason)、具体例を述べ相手を納得へ導き(Example)、再度結論を示す(Point)、いたって単純だがとても有効な方法である。

・一般的にコミュニケーションの目的は、「相手に理解を求める」「意見をもらう」「行動してもらう」の三つである。しかし、実際問題として、結局は何らかの行動を伴わなければ何も変わらない。だから、特に仕事においては三つ目の「行動してもらう」ことをゴールに置かねばならない。

・貯金が一億円あったらやらないことは、やらなくていいことである。

・言葉巧みに顧客に商品を購入させたところで、実際に購入した商品がセールストークとかけ離れたものであれば、その営業担当者は、顧客の中で「ブラックリスト」入りするだろう。

・採用面接の際に必ず自分が一番好きなことを挙げてもらい、それについて語ってもらうそうだ。そうすることによって、好きなことに対してどの程度の真剣さで取り組んでいるのかがわかる。好きなことに対しての取り組み姿勢が優れていれば、仕事で高いパフォーマンスを出す可能性が高く、そうでなければ見込みがない、ということだそうである。

・ポリシー(○○するようにしている)ではなく、実際にとった行動を確認しなければならない。

・この仕事は合わないっていう若いもんもいる。日本中いくら探しても自分に合う仕事なんて見つかないですよ。仕事に自分を合わせなくっちゃ。

・「商売の勉強というのはな、金の数え方や髪の切り方を学ぶことじゃないぞ。どうしたら人がついてくるかを考えよ。人に好かれるとか、人に任せるとか、そういうことを今のうちから勉強しておけ」とな。だからな、ワシが小学生の時から友達にお菓子をおごってやったりするのを見て、おやじはどんどんやれ、と言っていた。

・やりたいことを見つけるには、やりたくないことを明確にすればよい。

・目標を「紙に書く」というのもポイントである。頭の中でぐるぐる思いをめぐらせているだけでは、考えていることにならない。文字という形ができて、初めて考えは具体化するのだ。

・文字で表現できないということはわかっていないということ。頭の中のイメージと、文字で表現された内容がしっくり来ないのであれば、検討が不十分だということ。

・「好き」の反対は「無関心」であり、「嫌い」は「好き」が形を変えたものである。

・満足の反対は、仕事に満足感を抱けないことである。不満足の反対は、不満足が存在しないことである。不満足の原因が「衛生要因」と呼ばれる所以は、トイレが汚いと嫌だけれど、清潔な状態だとなんとも思わない、というのと似ていることである。

・恋愛成立には、三つの要件がある。ひとつは共有体験だ。同じものを見たり、同じことを一緒にしたりする。時には、同じ苦労を共にする。二つめはサプライズである。行動を共にし、観察する時間が多くあるからこそ、時々見せる意外な一面にびっくりする。三つめはタイミングだ。つき合っている彼・彼女とうまくいっていないときに気になる言葉をかけられた、などである。

・ギャンブルで「勝つ」と怖くなる金額が、あなたの限界である。

・オークションサイトの利用が一般化するに伴い、中古市場が一気にほかの物品にも広がった。こうした環境ではモノの買い方次第で、享受する生活レベルが大きく変わってくる。買い物(特に耐久消費財)のプライオリティは、売る前提で買う。売れるものを買う、ということである。

・私の生活は健康で仕事があることを前提とした、完全な自転車操業だったことに気がついた。



残念な人の思考法(日経プレミアシリーズ)

残念な人の思考法(日経プレミアシリーズ)

  • 作者: 山崎将志
  • 出版社/メーカー: 日本経済新聞出版社
  • 発売日: 2010/04/09
  • メディア: 新書



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