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『武器としての決断思考』 [☆☆]

・最新のパソコンを買ったのに、2年もするとすっかり古くなってしまう状態と同じで、モノだけでなくヒトの性能も、ドッグイヤーのようになってきているのです。

・電動ドリルがよく売れている状況を見て、「もっと高性能のドリルを売ろう」と考えるのがエキスパートであるならば、もっと根本までところまで考えて、「お客さんが欲しいのはドリルではなく穴である」と考えるのがプロフェッショナルです。

・読者は、本を求めているのではなく、知的好奇心を満たすことを求めている。

・日本の教育は、学問の縦穴を深く掘ることばかりに注力していて、複数の学問をつなぐ横穴の掘り方は教えてくれません。

・これまでは、まず計画を立てて、それをもとに着実に行動していくことが求められていました。要は「計画の時代」だったわけです(だから、何十年も前の都市計画がいまごろ動き出したりもします)。

・これからの時代における最大のリスクは、「変化に対応できないこと」です。

・日本人は議論ベタだと言われていますが、慣れの問題以前に、「絶対正しい意見(正解)」を言わなければならないという思い込みが強いのではないでしょうか。正解を言おうとすると、自分の意見に大きな自信がある人間以外は、とたんに何も言えなくなってしまいます。

・正解なんてものはありません。でも、正解がないからといって、何も考えないわけにはいかない。なんらかの「結論」を出さなければなりません。

・ギリシャのGDP(国内総生産)はどの国と同じでしょうか。実は神奈川県と同程度のとんでもなく小さい国なんです。

・ディベートというと「相手を論破する」というイメージが強いと思いますが、それは大きな誤解です。大事なのは、見ている第三者を説得すること。議論する相手を論破したり、相手側の意見を変えさせる必要などないのです。

・「朝まで生テレビ」はダメな議論の典型です。あれはディベートどころか、議論にすらなっていません。

・結論が出ないものは、雑談であって議論ではない。

・先送りというのは一見、決断を先送りしただけのように捉えがちですが、実のところは、「決断しないという大きな決断」をしたことに他なりません。

・イチローがブレていなくて素晴らしいのは、スポーツの話だからです。ルールが変わらない世界では、ブレないことに価値もあるでしょう。

・質の低いファンは、スタンドプレーを好み、喝采します。すると、選手は基本的にファンが喜ぶことをしたがるので、チームの勝利よりも目立つことを優先するようになります。

・有名な「ドーハの悲劇」は、ある選手のロスタイム直前での攻め上がりが原因で生まれましたが、なぜ時間稼ぎが必要なシーンでわざわざ攻めたのか。選手は何を考え、監督は何を指導していたのか。日本のマスコミは「悲劇」を煽るだけで、問題の本質にメスを入れるような報道はほとんどありませんでした。

・日本人にありがちなのが、比較という考え方がないので、デメリットばかりに目がいってしまって、なかなか行動を取れないというパターン。

・政策レベルでも、メディアや市民団体、PTAなどはデメリットの話ばかりして、いくらメリットを主張したところでまったく耳を貸そうとしません。

・人生の充実度はプライベートで決まるので、ある程度以上の給料をもらえる会社であれば、あまりどこも大差ないのではないか。

・反論について考えるときに重要なのが、「裏をとる」のではなく「逆をとる」ということ。情報の裏をとるというのは、その情報が正しいかどうかを複数のソースから確認することを指しますが、いくら確認したところで、同じ意見・主張のだけから話を聞いたのではまったく意味がありません。

・賛成の意見と反対の意見を適当にばらまいて、議論の収拾をつかなくし、現状を存続させる方向にもっていくのは、情報コントロールの基本中の基本になります。

・大学の有名教授が「近頃の学生はぜんぜん勉強をしない」などと言うことがありますが、それは単に、有名教授のところにミーハーな学生が集まっているだけの話であることがよくあります。

・ツイッターでは石原慎太郎を支持している人はほとんどいないから、選挙では落選するに違いないと思っていたら、圧勝してしまった。石原慎太郎の主な支持層である高齢者は、ツイッターなんてやらないわけですよね。

・ディベートというと、自分の主張を通すことに重点が置かれがちですが、実は逆で、自分の主張を無理やり通そうとしている人に反論することのほうが大事です。

・私の経験上、やたら断言する人にかぎって、実は不安に満ちていたりします。早くに結婚して、子供がいる人ほど、「結婚はすばらしい。お前も早くしたほうがいい」と言ってくるのと同じですね。

・会社にも立場があるので、言いたくない情報は隠し、どうでもいい情報は誇張することが多い。これは個人においても同じことです。

・判断を左右し、行動を変える情報や知識こそ、最重要なのです。



武器としての決断思考 (星海社新書)

武器としての決断思考 (星海社新書)

  • 作者: 瀧本 哲史
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2011/09/22
  • メディア: 新書



タグ:瀧本哲史
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