SSブログ

『日本は世界4位の海洋大国』 [☆☆]

・なぜ中国はこれほどまでに尖閣諸島の領有権を主張するのであろう。それはひとえに、「日本の海」が豊かな海であり、「中国の海」が貧しい海だからだ。

・領海とさまざまな経済的な権益をもつ排他的経済水域を足した面積において、「日本の海」は世界六位の広さを誇る。しかも、日本海溝など深い海もあるため、海水量、すなわち海の体積で見ると世界四位の海洋大国である。

・日本の陸地、すなわち領土の面積は世界で61番目だ。

・陸地だけでは小さい日本も、海を合わせることにより、世界でも屈指の大国になる。

・ウランは、海水1トンあたりに、金の1000倍の3ミリグラムが含まれている。そして、太平洋、大西洋、インド洋の全体積を掛け合わせると、世界の海中に存在するウランの推定総量は、およそ45億トンとなる。

・海底には、レアメタルを含んだ多くの価値ある鉱物がごろごろしている。海底はまさに「宝の隠し場所」なのである。

・装飾品としての用途が多い白金だが、耐食性が強いという特性を活かして実験道具などに、さらに電極の接点や熱電対といった分野で利用されている。

・2008年の漁獲量を金額に換算すると、1兆5000億円程度。この金額は、農林水産業の協同組合などを会員とする、協同組織の全国金融機関・農林中央金庫が、同年9月期に抱えていた有価証券含み損の金額と同額である。

・残念ながら、魚介類の自給率の上昇は、日本人の魚離れにより消費が減り、輸入品を購入する必要がないことも、理由の一つに挙げられている。

・未利用魚の漁獲比率は、底引き網漁では40パーセントから50パーセント、定置網漁、まき網漁では20パーセント程度と推定されている。日本近海で行われている漁業全体では、30パーセントが未利用魚として、海に捨てられているようだ。

・皆の海のはずなのに、漁協に入っていない人が魚や貝を獲ると、「密猟」呼ばわりされる。

・魚の販売価格のうち、漁師の手元に入るのは通常1割から2割程度であり、8割以上が流通経路の中に消えている。

・マグロが1キログラム体重を増やすために必要とする餌は、15キログラム程度。そのため、1匹のマグロが出荷されるまでに食べる餌の合計は約1トンにも上る。

・「パヤオ」とは「浮き漁礁」のことで、回遊魚が流木などの浮遊物に集まる習性を利用した一種の漁具だ。パヤオには、マグロ、カツオ、シイラなどの大型回遊魚が集まってくる。

・国際的な常識をわきまえたインテリゲンチャと、激情的な一般国民との社会認識の乖離──。

・「二島先行返還だ」「四島一括返還だ」といったところで、国民はもはや北方領土に対する意識が希薄なのだ。かように、議論ばかりが続いた長い年月が、北方領土問題を風化させてしまい、「時すでに遅し」と考える人も多い。

・目をつぶっていると、あっという間に東シナ海が中国の海となり、オホーツク海は未来永劫ロシアの海のままだ。いずれ、日本海は「東海」と呼ばれるようになり、韓国の海にならないとも限らないのである。

・船は速度の速いものでも時速100キロが限界だ。北から南、東から西、各々の距離が3000キロを超える海域を守るためには、海上保安庁の巡視船だけでは限界がある。



日本は世界4位の海洋大国 (講談社プラスアルファ新書)

日本は世界4位の海洋大国 (講談社プラスアルファ新書)

  • 作者: 山田 吉彦
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2010/10/21
  • メディア: 新書



タグ:山田吉彦
nice!(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:

nice! 0

トラックバック 0