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『脳を創る読書 なぜ「紙の本」が人にとって必要なのか』 [☆☆]

・「想像力」とは、平たく言えば、「自分の言葉で考える」ということだ。

・言葉を通して他人と話ができるためには、聞くことと話すことの両方に想像力が必要なのである。自分と他人の間でこの想像力に開きがある場合は、話が通じないことが容易に予想される。「馬の耳に念仏」という状態は、相手に想像力が足りないために起こるわけだ。

・なぜ多くの人が数学、特に数式を苦手とするのだろうか。その原因の一つは、想像力の個人差なのではないだろうか。数学は極端な抽象化を推し進めるから、かなりの部分を想像力で補わない限り、わかった気になれないのだろう。

・構図を意識せずに撮ると、たいてい地平線や水平線が中央あたりに来てしまう。画面の上下が等しく二分されると、実に凡庸な風景写真になるのだ。そこで、空を表現したいのか、大地や海を強調するのかを決める必要がある。

・非対称に関するセンスを身につけるためには、とにかくよい写真をたくさん見ることである。脳とは不思議なもので、いったん習熟してしまえば、何も考えなくてもベストの構図を瞬時に決めて写真が撮れるようになる。

・脳にとってわかりやすい文章とは、先読みが効いて次に何を言うか予測のつく文章ということになる。そうした文章は予想を確認していくだけですむので、速く読み進むことができる。

・想像力で補うことが必要とされないものにばかり接していると、結局、想像力が身につかないことになる。

・想像力が身についていない人は、メールなど文字だけの情報の場合、読んでも相手の意図を察することができないので、日常的に多くの失敗を経験していることだろう。しかも、その原因が自分自身にあると自覚していないため、何度も同じ失敗を繰り返してしまう。

・「書く」という行為を「手間だ」、「無駄だ」と考えるか否かが、知識を自分のものにできるかどうかの分かれ道になる。なぜなら、書くことで、意識的に自分で考える時間や必要性が生まれるからである。



脳を創る読書

脳を創る読書

  • 作者: 酒井 邦嘉
  • 出版社/メーカー: 実業之日本社
  • 発売日: 2011/12/17
  • メディア: 単行本



タグ:酒井邦嘉
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