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『僕、トーキョーの味方です』 [☆☆]

・紙袋は現代の風呂敷だ。物を包む、価値を高める、持ち運ぶ、入れる、隠す、見せびらかす。

・お歳暮やお中元、お礼など贈り物の習慣が続いているのは、宅配便のおかげだ。宅配便がなかったら、人間関係ははるかに疎遠になっているだろう。

・東京人はどこに自動販売機があっても驚かない。驚くのは、自動販売機が見つからないときだ。

・僕は、自動販売機の中に神様がいるような気がするときがある。金属の細い硬貨投入口は、神社にある木の賽銭箱。ボタンとブザーは、賽銭箱の上にぶら下がっている綱と鈴だ。鈴の音で神様が目を覚まし、僕たちのささやかなお願いに耳を傾け、つかの間の喜びを分けてくれる。

・芸術や音楽、カルチャー、レストラン、ショップなどは、世界中のものが東京のどこかしらにある。東京は世界文化の博物館だ。ただし、色とりどりの展示室はあちこちに散らばっていて、なかなか見つからない。

・すべての注意書きを読むことは不可能だし、読んだとしても行動を改めるかどうかは疑わしい。

・東京は、午前一時になると不便さに向かって街が縮み始める。

・そのうち、駅のホームに表示される発着時刻に「秒」が加わるかもしれない。

・東京には文字が氾濫している。広告あり、標識あり、警告あり。どこに目を向けてもメッセージだらけだ。東京の街はとても雄弁だ。東京で一日過ごせば、小説を一冊読んだのと同じくらいの言葉に出会える。

・ソクラテスは、「吟味されない人生は、生きる価値がない」と言った。そこに「吟味されない街は、住む価値がない」とつけ加えよう。

・目を開いて探求する精神をもち続ければ、人生はより意味をもつだけでなく、より楽しくなる。

・日本人は、批判であれ賞賛であれ外国人の意見を読むのが大好きだが、その一方で、外国人の洞察は本物の「内面」を理解するには「表面的」だと切り捨てる。日本に対する誤解は、日本の文化が特異だという神話の証として、誇らしげに語られる。



僕、トーキョーの味方です―アメリカ人哲学者が日本に魅せられる理由

僕、トーキョーの味方です―アメリカ人哲学者が日本に魅せられる理由

  • 作者: マイケル プロンコ
  • 出版社/メーカー: メディアファクトリー
  • 発売日: 2006/06
  • メディア: 単行本



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