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『実験的経験』 [☆☆]

・住宅や土地を買うなんて、庶民は考えない方がいいですよ。え? 庶民って何かって? それはつまり、ローンを組んで買う人たちのことです。

・鉄道模型で最も世界的にファンの数が多いのはHOゲージだが、これは87分の1。模型の世界には、100分の1とか、50分の1というような十進法でキリの良い数が分母になる縮尺はない。

・神は一人ではない。なにしろ全能だからな。一人であり複数であり、どうにでもなれる。たとえば、日本の神様とギリシャの神様は、同一でもあり別個でもある。

・この10日間の土木作業で体重が3キロ減りました。でも、だいたい毎年、気温が上がってくると体重が減るので、工事はその切っ掛けになっただけでしょう。躰が動きやすくなるためにトランスフォームするのだと思います。

・電子書籍だったら、一度読んだ文章を変えてしまうことができますね。おかしいな、と思って前に戻って読み直してみると、違うことが書いてあるのです。

・たとえばですね、「君が代」を歌うと、「きみがあよおは」となりますね。既に、「あ」と「お」が余分に入っているわけです。それを入れないと歌えないのです。国旗を掲揚するか、起立するかどうか、ということよりも、もっと大きな問題が、この発音の不適切さある、と主張する研究者もいます。

・読んでもわからなかったという人もいます。書かれているのに、それを読んだのに、伝わらないことってあるのです。多くの場合、先入観というのか、こうだとイメージしているものが既にそれぞれあって、それから大きく外れるものはシャットアウトする、といった防御能力が働くからです。

・省エネというのは「金の節約」と限りなく等しい。もしエネルギィを使いたくない場合は、金を社会で回さなければ良い。不況になれば良い。

・製品がみんなに行き渡った豊かな社会においては、製品メーカの役目は終わっている。しかし、メーカは作り続けようとするし、みんなを騙してでもそれが正義だという物語を作る。

・樵は、自分の山に樹がなくなっても樹を切る仕事を諦めない。どこの山でも良いから仕事ができるところを探し出し、樹を切り続けようとする。

・文章はできるかぎり、観察した順番、認識した順番に書くのが自然だ。たとえば、「赤い帽子を被った人」であれば、まず赤い色が目に入り、それが帽子だとわかり、次に、それを被った人間を認識する、という順番になる。人間をさきに認めた場合には、「人がいて、赤い帽子を被っていた」という表現になるはずだ。

・普通、ルイ16世とか、エリザベス2世というように、何世というのはファーストネームの後につく。何故かというと、王家や皇族にはファミリィネームがない。日本の天皇にも名字はない。ナポレオン・ボナパルトが今ではボナパルトではなく、ナポレオンとファーストネームで呼ばれているのは、彼が皇帝になったからである。

・ネットっていうのはさ、どうも素人ばかりというか、浅い趣味人しかいない気がする。どうしてもそういうふうに見えるんだよね。なんか、同じような質問を繰り返しているし、またその話かよってのばっかりじゃない?

・やろうと思えば、たいていのことは一人でできる。という証明は、大変面白くまた有意義だと感じます。年寄りになると、なんでも周囲の人間に頼んでしまう傾向がありますが、できたら、死ぬまで自分のことは自分でやりたいものです。

・子供の言動を見れば、親の人間がわかる。



実験的経験 Experimental experience

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  • 作者: 森 博嗣
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2012/05/24
  • メディア: 単行本




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