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『宇宙海兵隊ギガース6』 [☆☆]

・宇宙では、太陽が一つの系より、二連星のほうがありふれている。木星の質量がもう少し大きかったら、太陽系はそのありふれた二連星となり、地球に生命が生まれることはなかった。

・敵の思想を分析するのも大切なことだ。思想は行動を規定する。

・戦争というのは、敵の数を減らすのが目的だ。軍人の行動原理は、自分が生き残り敵を殺すこと。それ以外にはない。

・戦争で一番やっかいなのは同じ価値観を持った敵と戦う場合だ。

・本当の自由と民主主義を獲得するためには、成熟した市民が必要で、市民が生まれるためには自ら進んで参加する戦争が必要だ。

・不思議なことに、昔ながらの新聞や雑誌の売り上げが伸びはじめたのだ。人々は、ネットの可能性と同時に限界も知ったのだ。いつでも、どこでも、電源がなくても、ネット環境がなくても、ものを読むことができるという、ごく当たり前のことに、あらためて気づいたのだ。

・それが大新聞の体質だ。多くの従業員を抱えているがために、簡単に倒産するわけにはいかない。そのためには、政府や軍の言いなりになるしかないのだ。

・粛清には、常に効果があるのです。民衆は恐怖に弱いのです。

・言論統制は強まっている。だが、連合政府は、急速に物事を変革しなかった。小さな一時的措置を徐々に積み重ねていき、気がついたら、今の体制になっていた。地球の市民たちは、今でもそれほど戦時下体制を意識していないに違いない。

・問題が自分の手に余るときは、私はいつも上官に下駄を預けることにしている。上官の手に余れば、さらにその上司に問題を預ける。そのために上官がいる。

・戦争を終わらせるだって……。それには、決着をつける必要があるんだ。

・人類の歴史は何年くらいかわかるかね? 人類の歴史は80年なんだ。どんなに大きな出来事があっても、それを記憶している人がこの世からいなくなったら、その記憶は失われていく。そして、同じ事を繰り返すのだ。歴史から学ぶという言葉があるが、人類は決して歴史から学んだりはしない。人一人が生きている間しか、教訓は生きないんだ。

・ベトナム戦争の時代から、自動小銃は弾をばらまくものだった。狙って撃つものではないのだ。敵を殺すためではなく、威嚇して敵を退散させるためだったと言われている。つまり、殺さないために銃を撃ちまくったのだ。

・実際の戦闘というのは、映画などと違ってそれほど弾は当たらない。撃ち手が緊張したり興奮したりということもあるが、人は本能的に人を殺すことを回避したいからだと言われている。

・戦争で多くの人が死ぬのは、爆撃や艦の撃沈といった、直接相手の顔が見えない場合だ。



宇宙海兵隊ギガース6 (講談社ノベルス)

宇宙海兵隊ギガース6 (講談社ノベルス)

  • 作者: 今野 敏
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2012/11/07
  • メディア: 新書



タグ:今野敏
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