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『パラダイス・ロスト』 [☆☆]

・相手に情報を与えるな。自分からは決して喋るな。可能な限り相手に説明させろ。

・誤算は常に付き物だ。むしろ、臨機応変の対応こそが重要だ。

・人の死は常に周囲の注目を集める。スパイにとっては、いかなる場合も目立つことを避けるのが鉄則だ。

・きみの仮説は単に推測を並べただけだ。いうなれば、現実がこうであって欲しいというきみの願望だ。

・彼らは一対一の時はともかく、集団になるとなぜか急に死ぬのを怖がらなくなる癖がある。あの学校でそう教育されているんだよ。

・「Fnu Nmi Lnu」 ファーストネーム・アンノウン、ノーミドルイニシャル、ラストネーム・アンノウン。それがスパイにとっての最高の墓碑銘なのだという……。

・真に利口な獣は偽の痕跡を追いかけさせることで猟師を罠にかけ、破滅させることができる。

・人間はずっと平和でも、戦争でもいられない。

・世界を二分する戦争が行われている今日、敵対する両陣営から誤って攻撃を受けぬよう細心の注意を払う義務は中立国側にあった。

・人は誰しも何かしらの性癖を持っている。特殊な技能を持つ者、一般人と掛け離れた能力や感覚の持ち主ほど、ある種の刺激に対して特異的な反応を見せる場合が多い。

・世界中でおよそイギリス人ほどクロスワード好きの国民はあるまい。祖国が戦争遂行中であろうが、亡国の危機に瀕していようが、英字新聞には新作のクロスワードパズルが必ず掲載されている。

・新聞に限らず、パズルはそれを目にする読者の知能程度に合わせて難度が設定される。難しすぎても、易しすぎても意味をなさない。

・電撃戦の遂行命令は、味方には確実に意味が伝わり、一方で敵には意味不明なものでなければならない。言い換えれば、電撃戦とは解読不可能な暗号システムが開発されたことによって初めて生まれた戦略プランなのだ。



パラダイス・ロスト

パラダイス・ロスト

  • 作者: 柳 広司
  • 出版社/メーカー: 角川書店(角川グループパブリッシング)
  • 発売日: 2012/03/24
  • メディア: 単行本



タグ:柳広司
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