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『自分のことをしゃべりすぎる若者たち』 [☆☆]

・元来、日本人は「控えめ」がよしとされ、自己PRなど必要なかった。その下手さ加減は現在も変わらず、コミュニケーション能力は進化していない。それなのに、就職・転職活動、婚活などの様々な「活動」の中で自己PRが半ば強制されるようになったがゆえに、下手な自己表現をして失敗する人が増えてきているのだ。

・人は、自意識がコントロールできなくなるとしゃべりまくるのだ。そして、余計なことをしゃべり失敗する。

・お姫様キャラクターの消費のされ方が、「お姫様がついた可愛いグッズを持つ」という「持つ」消費から、「自分自身がお姫様になる」という「なりきる」消費に変化している。

・高学歴でダメな学生の共通点。とにかく自己アピールが長い。企業は「こっちはお前の能力を知りたいだけで、お前のことを知りたいわけじゃない!」と突っ込みたい。就職面接は自分の能力をアピールする場であって、自分自身をアピールする場ではないのだ。

・ゆとり教育の導入が推奨されたのは、経済成長をしていた時期です。人間は経済的に豊かになると他のものがほしくなる。それが「個性」だったのかもしれません。

・「何のために生きるのか」「幸せとは?」と考えるのは食うには困らない「前提」があってこそだ。その前提が失われた2010年代以降は、真実、日本人も幸せ探しなどする余裕がない。

・「現実的に友だちが少ない人ほどネットでリア充なふりをするのかもしれない」と思えてきた。本当に実生活が楽しくて充実していたら、毎夜毎夜、ツイッターやフェイスブックにアクセスするヒマはなかろう。

・平たくいうと、社交性は飲み会でうまく振る舞える能力で、社会性は空気を読んで臨機応変に立ち回れる能力だ。

・ネット弁慶たちは社交性が高く、社会性がない。

・旧来のうつ病は努力家で「うまくいかないのは自分の責任」と思い込む、自責的な人がなるものだった。ところが「新型うつ」は何かうまくいかないことがあると他者のせいにする。他責的なのだ。

・通常、上から見下ろす目線を持つのは立場の上の人たちで、それは特に問題視されない。発言者の人格が疑われるだけである。

・ファッション通販大手サイトのZOZOが成功した理由は、発足当初、「洋服の収集癖がある男性をターゲットにしたこと」であった。

・男性の「洋服好き」層はTシャツなどを収集の対象、コレクターアイテムとして購入するのだ。

・女性はお酒が入らなくても、何時間でもたわいもない話ができる。これを「コミュニケーション能力が高い」と評価する男性識者などがいるが、視点を変えると、女性は会話が途切れて沈黙になるのが怖いのである。

・右肩上がりのときは、普通にやっていれば結果が出たんです。ですから、クライアントは「いい人」と仕事がしたいと考えた。ところが今は「いい人」では困るんですよ。こちらが利益を出せるようにしてくれないと。みな「いい情報」を提示してくれる人と仕事がしたいと考える。



自分のことをしゃべりすぎる若者たち (講談社プラスアルファ新書)

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  • 作者: 杉浦 由美子
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2012/06/21
  • メディア: 新書



自分のことをしゃべりすぎる若者たち (講談社+α新書)

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  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2012/06/20
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