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『怠惰を手に入れる方法』 [☆☆]

・著者は水色のパジャマを着てハンモックに寝そべっていた。水色は昔から怠惰のシンボルカラーだ。

・エクササイズしている美女を見るでしょう。彼女たちは頭がおかしいんです、口にするものといったら火をとおした野菜だけで、活動しすぎ。おおかたの人間よりちょっとばかり長生きするかもしれませんが、中身はいたって薄っぺらなんです。

・ファッション業界やフィットネス業界は、現代人が集団で抱えている自己嫌悪をネタに大儲けしています。

・病気を予防するのは、年に一度の健康診断でもビタミン剤の注射でもバイアグラでもなく、幸せでいることなんです。

・中世の時代に、すばらしい教会堂や聖堂があちこちに建設されたのは事実だ。だが同時に、大勢で集まってせっせと神様にお世辞を言うような風潮は、結局のところ退廃し、16世紀の宗教改革で覆してしまう。

・亡くなる前に一目母親に会っておく? それまでずっと疎遠だったなら、いまさら会いに行ったところで埋め合わせにはなるまい。

・わたしたちは日常的な活動の中でちょっぴり夢や希望を見つけ、それを糧に生きている。それがあるから次の朝、目を覚まして起きあがることができるのだ。

・怠惰で戦争に行った者はいない、とだけ言っておこう。怠惰の名のもとに殺された者はいない。怠惰は宗教を掲げて十字軍に出かけたりもしない。

・創造的な気分になっているなら、何かしら生産的なことをしてもかまわない。しかし、あくまでも自分自信の欲求である場合だけで、外からの期待に応えるのは禁物だ。

・もしも20キロ体重が減ったとしても、いまよりすぐれた人間になれるわけではないし、幸せになれるわけでもない。

・やる気というのは、競争によってわいてくるものだ。言いかえると、わたしたちがたいしておもしろくもない仕事に一生懸命になるのは、ひとえに、となりのやつの上を行きたいと願って……という場合が多いのではないだろうか。

・深い仲になってはいけない。こちらの努力が問われるような関係におちいらないように。

・自分や相手から、何らかの働きかけがなくても動いてくれるような関係でなければ、結んでおく価値はない。

・あなたは単なる落ちこぼれではない。21世紀という洗脳された人々の戦いの場から、完全に身を引いたのである。

・他の人の幸せを声高に非難するのと同じくらい自分の幸せを考えていれば、今頃結婚して幸せに暮らしていたことだろう。

・わたしも七つの大罪のすべてを犯した。そして、好色で強欲、嫉妬深くて大食らい、高慢ちきで怒ってばかりいる人間でなくなる唯一の方法が、怠惰になることだった。

・怠惰は、現状維持という門をものぐさに守る門番なのだ。

・大騒ぎしなければならないほどの大事など、実際には何もないのだ。





怠惰を手に入れる方法

怠惰を手に入れる方法

  • 作者: ウェンディ・ワッサースタイン
  • 出版社/メーカー: 築地書館
  • 発売日: 2009/07/31
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)



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