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『「頭がいい人」は脳をどう鍛えたか』 [☆☆]

・トレーニングが大げさなものだったり、たいへんなエネルギーを要するものでないほうがいい。一つ一つのトレーニングは「プチ」であるほうが、絶対に長続きしやすいからだ。

・レッスンを一日休むと自分にわかり、二日休むとパートナーにわかる。三日以上休むとお客さまにもわかる……」これは、ある有名なバレリーナの言葉だ。脳についても同じことがいえる。脳も毎日使わなければ、はっきりと衰えてしまう。

・脳にも、この廃用性萎縮は起こる。頭は使わないと、せっかくつくりあげたネットワークが崩れはじめ、働きが悪くなってしまうことが知られているのである。

・脳の活力を取り戻すには、精神的な疲労をとるか、逆に身体的な疲労を加えるかの、どちらか、あるいは両方を実践する必要がある。

・ボケにくい人の典型は、明るく前向きでのびやかに生きた人だという。まじめ一筋、几帳面で融通がきかず、自分にも他人にも厳しいというような人が、もっともボケやすい。

・どうも、日本では、長時間一心不乱に勉強や仕事を続ける人を賛美する傾向が強い。だが、脳のメカニズムを知れば、こうした勉強法、仕事法はけっして効率的ではないとわかってくるはずだ。

・脳が集中を維持できるのは、せいぜい30分。最大でも45~50分程度といわれている。

・ひたすら暗記するとか、情報を入力する、あるいは顕微鏡で観察し続けるというような、極度に集中を要求される場合、20分経過するとグーンと効率が落ちてくる。こうした作業をする場合は、20分程度の作業を続けたら、意識的に手を止めてディスプレイや顕微鏡から視線をはずし、2、3分休息をとるようにしたい。

・外国語を身につけたいなら、同時に複数の言葉を学ぶほうがいいそうだ。

・脳の情報整理のメカニズム研究によれば、脳は大量の情報を同時に処理する働きにすぐれている。一つのことだけを記憶するよりも、大量の情報を同時に与えられたほうが一つ一つの情報がしっかり記憶されるのだという。大量の情報があったほうが、記憶を再生するときの手がかりが豊富になるからではないかと考えられている。

・とくに、薬指は他の指にくらべると、動かす機会が少ないといわれている。こうした指をできるだけ動かす運動をおすすめしたい。

・「九九」を唱えるのは、言葉の訓練、数の訓練の両方を兼ねている。つまり、前頭葉を鍛える、もっともてっとり早い方法の一つになるのである。一日に一回ぐらい、たとえば通勤の途上、駅まで歩くあいだなどに「九九」をざっと復習してみよう。

・言葉は抽象概念を組み立てるブロックのようなものである。一つ一つは簡単なものでも、総合的な言葉の集まりは、やがて、たいへん深遠な知性の世界に人を導くほどの力をもっている。

・彼はどんなときでも、「……だったら、よかったのに」とはいわずに、「……でよかった!」と考えるそうだ。なるほど、そうすれば誰でも、楽しく生きる名人になれるに違いない。

・もともと、受胎後に最初に登場する脳は右脳である。右脳にはあらかじめ、生命進化のプログラムがセットされていて、胎児はこのプログラムに沿ってからだを完成させながら、同時に左脳の育成にとりかかる。

・もし、あなたが内向的で、積極的な人間になりたいという願望があるならば、まずは外見から「あの人は積極的だ」と思わせるような格好をしてみるべきだ。他人から積極的なイメージでとらえられるようになることが、あなた自身を次第に積極的にしていくだろう。

・イメージが変わるのだから、ひやかされて当然と思うべきである。ひやかされもしなかったら、あなたのイメージは変わっていないというわけだから、むしろ残念と考えよう」。

・週末は「利き手」を封印しよう。利き手を休めているあいだは、利き手を動かすのに必要な神経回路、細胞の結合部分、ネットワークなどすべてが休みとなる。代わって、利き脳でないほうの脳は、ほとんどはじめてに近い活動をするために、めまぐるしく働かなければならない。こうした脳の訓練法のことを、「ニューロビクス(神経のエアロビクス)」と呼んでいる。

・ほとんどの行動は、記憶をもとに構成されているのではないか。記憶は人の行動のすべての基本となる。きわめて重要なものなのだ。

・モーツァルトのK・400以降のピアノ曲は、とくに学習能力を高めるという結果が明らかになったそうだ。勉強部屋や書斎のBGMとして、モーツァルトのK・400以降のピアノ曲をかけてみよう。

・カラオケが広まってからは、画面の下に歌詞が表示されるようになったので、せいぜい三番ぐらいまでしかない歌でさえ、歌詞を最後まで覚えているかどうか、あやうくなってしまった。

・積極的に運動することで海馬の新生細胞がより多くなることが認められている。運動がいかに脳を活性化するのに重要なのかを物語っているのである。

・ローマ時代の哲学者キケロは、「年をとっても健康を保つことは、人間の義務の一つである」と語っている。いうまでもなく、真の健康とは、頭が正常に働くことも含まれている。

・せっかくの文明の利器を無視しろ、というわけではない。携帯電話や電卓、パソコンの登場でラクになった分だけ、脳に新たな負荷を加え、がんばらせることを考えてみよう。

・脳をいきいき、若々しく保つためには、このロンドンのタクシーの運転手のように、たえず学び続ける姿勢が欠かせないといえるだろう。

・知人の、80歳を超えた父親が骨折して入院した。医者は、その知人に向かって、「お父さんに、家庭内の心配ごとや仕事の悩みを話すようにしてください。悩みを打ち明ければ、親だから当然、心配します。あれこれと頭を使っていないと、入院生活中に頭がボケてしまいますよ」といったそうだ。

・人間は、自分の生活パターンをなかなか変えたがらないから、新しい体験をすることは少ない。そのいい証拠がトイレだ。学校でも会社の中でも、自分の入るトイレを決めている人がいる。





「頭がいい人」は脳をどう鍛えたか (青春文庫)

「頭がいい人」は脳をどう鍛えたか (青春文庫)

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 青春出版社
  • 発売日: 2013/10/10
  • メディア: 文庫



タグ:保坂隆
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