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『非常識な本質』 [☆☆]

・われわれが日本の中で思っているほど、日本メーカーの製品はスイスの高級時計やドイツのクルマほど、世界ではブランドとして評価されていない。

・大事なことは、人と同じパラメーターで物事を見ないということ。常識的なパラメーターで勝負に臨むと、勝てる場合と勝てない場合が最も良いコンディションでもフィフティ・フィフティになってしまいます。

・いくら学校の勉強ができたからって、革新的なものが生み出せる保証はどこにもないのです。むしろ、覚えたこと──つまり過去の情報だけでつくっていることになります。

・イノベーションは、圧倒的な知識の蓄えがあってこそ精度が上がり、感性によって花開きます。

・あなたの話を聞いていると、いかに自分たちがいいクルマをつくっているかという話ばかりです。お客は、知識やメカニズムでクルマを買っているんじゃないんですよ。

・新しい商品やヒット商品は、発想が過去や現在の常識に留まったままの社会の人間が反対するからこそ生まれるのです。

・各社がやっているから、それが「常識」だと思いがちですが、その「思考の盲点」にこそ答えが隠れているのです。

・品質管理の大学の先生が外部から派遣されていました。もちろん、彼らが自動車市場の消費動向なんて知っているはずもない。そんな先生方の審査を受けないと新規開発の部品は一切生産ラインに流せないことになっていました。しかも、それが許可される主な要因は「これまで類似の事例があり、実績がある」というもの。

・エリートコースを歩んできた人材はどうでしょう? 彼らを集めると、必ず「新しいことをやって失敗したらどうするの?」という声が上がります。そうした「優等生」は、それまでの実績やいまあるポジションを失いたくない。だから、ディスカッションしてもネガティブトークのオンパレード。

・人並みのものを提供するから、顧客は好きとか嫌いで選ぶ。しかし、機械を超越して、人間の手によるすごい塗装の質感を感じさせることができたなら、個人の好みをも超越する普遍性を持つのです。

・最近、家電メーカーは迷走しているのか、わけのわからない、取ってつけたような機能を搭載した製品が市場に出回っています。きっと業界の中に「新しい機能を増やすこと=価値が上がる」という凝り固まった常識があるのでしょう。

・変更するという言葉を、みんなものすごく罪悪にとらえています。「変更する」というと上司は喜びますか? 部下は喜びますか? きっと喜ばないと思います。でも、変更できる喜びというのは確実にあります。だって、狭いマンションから広いマンションに引っ越したほうがうれしいはず。

・私は「活動計画をつくれ」と言っています。決まったことを決まったとおりに行うのが日程計画だとしたら、日々進化するお客様や自分たちの実力に合わせ、柔軟に実際の目標と達成手段の変更ができるのが活動計画です。

・ポルシェやフェラーリのさらに上を行く、500馬力のエンジンの基礎開発をそのメーカーに頼めばいいのです。それをズルいととらえるか、効率的ととらえるか。多くの日本人の感性は前者かもしれません。日本の会社では、できないことでも歯を食いしばって挑戦するのが美徳とされています。

・きっと小学校のころ、先生に「勉強は1人でコツコツがんばって学ぶべきものなんですよ」と教わったものだから、できないことを認めるのは横着であり罪であるかのごとく感じているのかもしれません。

・僕はいつも高級品を「恒久品」という字を当てて書いています。

・アメリカ人は結婚するけど離婚する。日本人もそう。でも、ヨーロッパ人は離婚を嫌がって最初から結婚をしなくなった。オランダは60パーセントが同棲のようです。

・アメリカの消費型使い捨て文化が入って変わってしまった。人や音楽や書籍までもが消費財と思われてしまう錯覚を生み出す今日です。





非常識な本質――ヒト・モノ・カネ・時間がなくても最高の結果を創り出せる

非常識な本質――ヒト・モノ・カネ・時間がなくても最高の結果を創り出せる

  • 作者: 水野和敏
  • 出版社/メーカー: フォレスト出版
  • 発売日: 2013/08/08
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)



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