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『消費が社会を滅ぼす?! 幼稚化する人びとと市民の運命』 [☆☆]

・世界総人口の11.5パーセントにしか相当しない人々が世界の全消費支出の60パーセントを占める。一方、サハラ以南のアフリカは世界総人口のほぼ11パーセントを占めておきながら、全消費支出の1.2パーセントを占めるに過ぎないでいる。

・文化が異なるにもかかわらず、世界中の中流階級の青年たちはまるで並行世界にいるかのように同一の生活を送っている。朝起床して、リーバイスとナイキに身を包むと、帽子、リュックサック、ソニーのポータブルCDプレイヤーをつかんで、学校に向かう。

・他者のニーズなど考慮せずに、子供は欲するときに欲するものを望むのであり、そして幼稚化した大人はこのパターンからはみ出ることはない。

・ファッション業界において売り手が標的とするのは、「40歳にも見まがうほど飾りたてられた」幼稚園児であるのと同時に、「自分を15歳に見せようとするその母」である。

・続編も増殖した。我らは子供のように、「今一度私に同じ物語を話してくれないか。それもいますぐに」と、映画や劇場に頼み込んでいるのだ。

・消費者は、世界から提供されるオプション・メニューからさまざまなものを選択することができるが、そのメニューやその世界を変えたり、改善したりすることは許されないのだ。

・貧困は不幸や不正を要因とするのみならず、それと同時に怠惰や嫉妬、そして争い好きによって、あるいは機会の欠如というよりもむしろ熱心さの欠如によって動機付けられる。

・学習し、かつ、成長することは、まず第一に、自己に何かが欠けているように常に感じ取ることであって、難しいことだ。無知で瑞々しいままでいることは、ただ快楽原理に耽ることを求められるだけのことで簡単なことだ。

・消費することとは、単に経験することではなく、犬が食べ物を食べるような本能的な快楽以外の目的をもって、それを呑み込むことなのだ。

・独自の欲求と衝動を身に付けていない人間は性格をもたないのである。性格はもちろん成熟度を伴った機能であって、その欠如は幼年期継続の表現なのである。

・経費が掛かる場合には社会主義的であっても、利益をもたらす場合には市場資本主義的なのである。

・生き残るためには、クマより早く走ることは必ずしも必要でなく、ただ一番遅いキャンパーより早く走ればいい。

・必需品を提供するシステムから必需品を創造するシステムへの移行なのだ。

・パトカー、消防車、パーキングメーターは現在収益確保に必死の都市による潜在的広告板とみなされていて、それはおそらくある日、その都市のもつ歴史的な名称の売却をブチ上げることが賢明であると判断する時が来るかもしれない。

・モールは批評家にとっては解放空間であり得るが、それは10代にとっての土曜日夜の監獄であり、公共広場が消失した地域において歩道もない郊外での年老いたカップルがぶらつく刑務所内の如き場所でもあり得る。

・退屈は、敵対的革命である。

・「通過する車に雪玉を投げつける幼児のレベルになり下がった」左翼活動家を蔑視する。

・啓蒙とは自ら招いた未成年状態から抜け出すことである。

・米国が非常に景気がよい理由の一つは欲しいもの、働いて得ようとするものの広告が非常に沢山あることであろう。

・ベネトンは普通にアパレル製品をつくっているだけだが、自社が世界中の政治的変化に何らかの形で関与していることを、政治的に的を得た広告をうまく使い、示唆して、普通でないマーケティングを遂行している。

・平和を守ろうとする者はB-1爆撃機でバンカーバスター爆弾を投下するのではなく、C-130ハーキュリス貨物機を操縦し、コメの入った袋を投下する『フードフォース』で遊べる。

・『アメリカズ・アーミー』(軍の新兵募集のビデオゲーム)に次いで『フードフォース』が、今日の市場で二番目にダウンロードされることの多い、無料のインターネット・ゲームである。

・「貧困」は憐みを引き出すだけで、投資を引き出せはしない。

・発展途上国では、家庭の働き頭とホームレスの浮浪者との間には1か月分の家賃相当額の差があるかないかの違いがあるのみだということはよく知られている。

・貧困国の問題は貯蓄がないことではなく、法的所有権を確定する所有権法体系を欠いていることで、そのために金銭を借りられないことである。

・就労許可のない労働者が非許可のままでいるのは、その所得税を納める必要がないという利益を得られることが理由の一部にある。





消費が社会を滅ぼす?! --幼稚化する人びとと市民の運命

消費が社会を滅ぼす?! --幼稚化する人びとと市民の運命

  • 作者: ベンジャミン.R.バーバー
  • 出版社/メーカー: 吉田書店
  • 発売日: 2015/03/16
  • メディア: 単行本



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