SSブログ

『大金持ちの教科書』 [☆☆]

・自分自身で事業を立ち上げ、そこから得られる利益を自分のものにする仕組みを作ることができた人こそが、いち早くお金持ちになれるのだ。

・歴史的に見て、株式投資の平均的なリターンは年6%程度である。つまり、長い目で見れば、株に投資することで年6%の収益を継続的に得ることができるのである。

・立場が弱い人というのは、あまり多くのお金を持っていない。そのような人をこき使って搾取したところで、そこから得られる利益はごくわずかなのである」。

・日々の生活の出費を減らすのではなく、必要な稼ぎを得るための出費を最小限にすることを、お金持ちの世界では「節約」と呼ぶのである。

・経済的な貧困について国際的に比較する場合には、「相対的貧困率」という数字がよく用いられる。これは、所得の平均値(中央値)の半分に満たない人が何%いるか、という数字である。

・経済が成長したり失速したりすると、多くの場合、後付けでそれらしい説明がなされるが、それが正しいのかどうかは、実は誰にもわからない。経済を理解したつもりになっている人は、そうした後講釈を鵜呑みにしている可能性がある。

・バブルとは、余ったお金が行き場所をなくした時に発生するものであり、それは景気がいいか悪いかには、あまり関係しない。

・おおよそ10年に1度は、株式市場のバブルはやってくるのである。投資で失敗する人のほとんどが、この事実を知らずに、最も株価が高い時期に投資をスタートしてしまう。

・太平洋戦争の戦費のほとんどは、日銀による直接引き受けによって調達された。そして膨れ上がった日本政府の借金は、GDP比において、現在とほぼ同水準となった。つまり、現在の日本は太平洋戦争末期と同じくらい、借金を抱えているのである。

・手嶋龍一氏は、慶應義塾大学に在学中からすでに生活に困らないほどの資産を持っていたという。それは1970年代に進行したオイルショックによるインフレを背景に、株式投資で莫大な利益を得たからである。

・野生動物も基本的には同じだ。自分より強い相手とは決して戦わず、ひたすら自分より弱い相手を探し出して、そこから徹底的に搾取する。動物の世界のルールは決してブレることがなく、完璧に合理的だ。

・強い者に媚びて、弱い者をいじめるという「動物的」な感覚では、なぜお金持ちにはなれないのだろうか? 答えは簡単である。お金をたくさん持っているのは強い者であり、強い者から奪わないと大きなお金は稼げないからである。

・結果が出なかったときに言い訳が通用しないという点で、お金儲けと戦争はよく似ている。

・アメリカ海軍において、戦時における空母や巡洋艦の艦長の選抜基準は明確だという。それは「理由の如何を問わず、今まで船を沈めたことがない人」だそうである。

・実力がある/ない、というのは、評価の基準がすでに定まっているものでなければ判断することができない。実力という概念は、すでにできあがった古いものにしか適用することができないのである。

・「理系」の人の最大の欠点は「数字」が苦手なことである。理系の人は「数式」は得意だが、「数字」には弱いのである。

・凡庸な理系は、天才が発見した法則をただ「丸暗記」して勉強するだけである。その法則を適用できる環境では問題を解決することができるが、前提条件が変わってしまうと、途端に問題解決能力をなくしてしまう。

・お金持ちになれるかどうかは、結局のところ、決められるか決められないか、という能力にかかっている。「そうは言っても……」というのが口癖の人は十分に注意したほうがよいだろう。

・マスコミの情報はアテにならないと息巻いている人ほど、実はマスメディアに依存していることも多いのだ。

・お金持ちの人はイノベーションを目の前に、好き嫌いという感情よりも、好奇心の方が優先する。しかし、金持ちになれない人は、好奇心よりも好き嫌いの方が優先してしまう。結局、周辺の多くの人が使うようになってから、それを受け入れるため、常に負け戦となってしまうのだ。

・一般にお金儲けに最適なタイミングは、人より半歩先といわれる。皆がその存在を知り始めているが「そんなもの大丈夫なの?」と多くの人が疑問視するくらいが、ちょうどいいタイミングのようだ。

・お金に対して後ろ向きな人ほど、ビットコインに対して否定的・批判的である。ビットコインは、お金に関するちょっとしたバロメーターになっているようである。

・ロボット化の進展で利益を得るためには、そのロボットを作る側になるか、ロボットを使いこなす側に回るしか方法はない。

・専業主婦の存在を前提にした不動産は、その価値を大きく下げるはずである。都市部から少し離れた場所に作られた一戸建て住宅は、旦那さんが働いて、家には奥さんがいることを前提にした不動産である。こうした住居へのニーズは今後、急激に減少する可能性が高い。

・音声認識技術はすでに広く普及しており、多くの人がスマホに向かって話しかけている。スマホには個人情報が入っているので、原理的には、誰がどのような声を持っているのか紐付けできる環境が整っていることになる。ここに、周辺の音を収集して瞬時に解析する技術が加わると、たとえば街の喫茶店などで収集した音を解析し、周囲に誰がいるのかを特定することも可能になる。

・ロボットが収集した情報をすべて事業者が利用してよいという条件を承諾すれば、ロボットをタダで使えるというビジネスモデルも成立してしまうのだ。

・こうした無料ソフトを使いこなすには、ある程度のITスキルが必要となる。だが、これほどまでの価格差が生じるチャンスはそうそうない。努力してスキルを身に付ける価値は十分にあるはずだ。

・すでに音楽産業では、CDやダウンロードで利益を上げる時代は終了しており、ライブなどがアーティストの主な収益源となっている。業界大手のエイベックスも、CD関連の売上よりもイベント関係の売上のほうが上回っている。

・米アマゾンはとうとう、月10ドルで書籍が読み放題となるサービスの開始を発表した。アーティストや作家に入る印税は、激減する一方である。

・リスナーは、アーティストが作った作品にはお金を払わないものの、ライブや握手会など、直接ふれあうことができる機会に対しては大金を支払う。

・アメリカではイノベーション産業の有無で都市の優劣が決まるようになり、成長する都市の高卒者と衰退する都市の大卒者における年収の逆転現象が起きている。

・量的緩和策はいつか終了することになる。そこから先は、積極的に国債を購入する投資家が少なくなり、日本の金利は上昇を開始する。

・一等地に建つオフィスビルやロジスティクス関連の大型商業不動産の価格は、物価の上昇に合わせて確実に上がってくる。個別の物件よりも、こうした優良物件を組み込んだ不動産投資信託(REIT)などが有利だろう。

・今では銭湯しか対象になっていないが、戦前の国家総動員体制の際に導入された価格統制令は、実は現在でも効力を発揮したままになっている。

・日本人は、よほど追い込まれない限り、思い切った決断ができないことが多い。



大金持ちの教科書

大金持ちの教科書

  • 作者: 加谷珪一
  • 出版社/メーカー: CCCメディアハウス
  • 発売日: 2014/11/29
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)



大金持ちの教科書

大金持ちの教科書

  • 出版社/メーカー: CCCメディアハウス
  • 発売日: 2014/11/29
  • メディア: Kindle版



タグ:加谷珪一
nice!(0)  トラックバック(0) 

nice! 0

トラックバック 0