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『現代史を読み解くための「世界史」講義』 [☆☆]

・その時代の常識に基づいて普通に生きているだけで没落してしまう。

・下克上とは「時代を読めない者が没落し、新時代を敏感に読み取れることができる者がのし上がる」という現象です。

・それでも護憲派の人たちは、あらん限りの詭弁を弄して現行憲法を守り通そうとします。

・新撰組もまたその自覚なく、幕藩体制を守ることこそが正しい選択だと信じて疑うことなく、命を賭けて戦い、日本の足を引っ張り続けたのでした。

・「耳当たりのよい言葉に言い換えて、悪事を隠蔽するイメージ戦略」について十分理解しておかないと、そうした策略に簡単にはまってしまう懼れがあります。

・「裁判なら公正が期されるであろう」というイメージ戦略で、日本人はこれに見事にだまされ、「東条英機は裁判で死刑になったそうだ。あいつめ、悪いヤツだったんだな!」などと言う始末。

・彼ら学者の「予測」は、あくまで「歴史のすべての流れがピタリと止まり、検証した事象だけがこのままの条件で推移すれば」というあり得ない前提でのものですから、当たる方がおかしい。

・人口減少の危機を煽る人たちは、日本の人口が未来永劫にわたって増え続けるとでも思っていたのでしょうか。

・中国は、社会主義(社会は人工的に統制できるという理念)に冒された結果、こうした先人のありがたい教えをまったく忘れ去りました。

・歴史は繰り返す。しかし、歴史に学ばぬ者は同じ状況で同じ過ちを繰り返す。

・民主制とは、そうした「政治も経済もチンプンカンプンな国民」に決定権を与えて政治運営しようというものです。こんなものがうまく機能するはずもなく。

・民主制とは、「政治も社会も経済も、下々の者にまでよく理解できるほどシンプルであった古き佳き時代」の遺物です。

・人類の歴史・政治・社会・経済の情報をすべてコンピュータに入力し、これをコンピュータに分析させて政治運営させる「電脳制」が「民主制」に代わる新しい時代の政治システムとなるかもしれません。

・外交というものは、ほんのわずかでも弱腰を見せると、相手が亡びるまで攻勢をかけられるのがオチだ。

・外交というものは「お友だちごっこ」の延長などでは断じてありません。「放っておけば殺し合いになるような、決して相容れない者同士がそうならないようにするための話し合い」です。

・竹島を与えたが最後、次は対馬、次は五島列島、果ては北九州と要求してくることは目に見えており、事態は悪化するに決まっています。

・戦争は「損得」で動きます。「得」をしない戦争など、はなから起きないのです。

・過去の偉人たちを調べてみると、洞察力、達観力、判断力、理解力等に優れた人材というのは総じて暗記が苦手です。

・こういう質問もよくされます。「受験勉強って社会に出てから何かの役に立つのでしょうか?」 もちろん「何の役に立たない勉強(=丸暗記)」をしているのですから、その勉強は何の役にも立ちません。

・そうではなく「なぜ彼が汚職ができたのか」「それを可能とした環境・制度は何なのか」を究明し、それを潰さないかぎり、同じことが繰り返されるだけです。

・程度の低い人というのは「罪の大きさを罰の重さで量る」ことしかできません。

・中国では、そもそも役人になる目的が「汚職の限りを尽くすため」であり、そこに罪悪感などかけらもありません。

・ひとつの組織が衰亡していくとき、何とかその原因を「外」に求めたがるものですが、実際はほとんどの場合、「内なる腐敗」が原因です。

・自然界は「エントロピーが縮小すると、それを増大させる力がどこかから必ず生まれる」ようになっています。

・赤道付近に太陽熱エネルギーが蓄積されてくること(エントロピーの縮小)があります。すると、その偏った熱を北の寒い地方に運ぼう(エントロピー増大)とする「力」が生まれます。それが所謂「台風」です。

・そもそもキャッチフレーズとかスローガンというものは、「真実とは真逆」なものが唱えられるものだということに気づいている人は少ない。

・すでに「オリンピック精神」そのものは死んでいるのですから、それはまさに「魂を抜かれてもなお動き続ける屍(ゾンビ)」のようなものとなっていきます。

・「ヒトラー式オリンピック」をモデルとして、国威発揚の場、民族の優劣を競う場と化し、政治的に利用されるだけのものと化して堕落します。

・「エサ(植民地)」が豊富にあるうちはまだ良かったのですが、20世紀初頭、これをほとんど食い尽くしたとき、最終的に彼らが行き着いた所は「共食い」でした。その「共食い」こそが「第一次世界大戦」です。

・歴史を紐解くと、「大きな危機が訪れる直前」というのは、自分たちが「危機の直前にいる」ことを誰ひとり気づいていないものです。

・大破局というものは「誰もそれを予想していない」ときに起こるものであって、アナリストたちが「危ない!」「危ない!」と大合唱しているときには起きないものなのです。なんとなれば、誰も予想していないときというのは、それが起こらないようにする対策もまた為されないからです。

・ないものは奪えばよい。これが彼らの発想です。狩猟民の彼らにとって、「狩り(征服)」だけが自分たちの本来の仕事であって、農業(生産)とは「異民族(農耕民)がするもの」という考えしかありません。

・「同じ」だと思うから腹も立つ。理解しようと思うから争いが絶えないのです。

・価値観の違う異民族同士がうまくやっていくためには、お互いの歴史を学び、お互いの民族の価値観を知り、そのうえで理解できなくてもそれを「お互いに受け入れる」しかありません。

・州内での結果を1人に絞らず、獲得投票比に合わせて選挙人を出すということは、「州としての統一意志を示さなかった」ということになるからです。それは「結論を中央に丸投げ」したことを意味し、すなわち「州の独立性を損なう」と考えるためです。

・差別心というものは「心」に宿るのであって、「言葉」に宿るものではありません。

・「障害者」の「害」とは何事だ、書くときは「障碍者」「障がい者」と書け。これは戦前に「戦争反対!」を口にすれば、皆から袋叩きにされる雰囲気があって、自由な発言が抑圧されていたのと同じ。日本人はあそこから何も学んでいません。



現代を読み解くための「世界史」講義

現代を読み解くための「世界史」講義

  • 作者: 神野 正史
  • 出版社/メーカー: 日経BP社
  • 発売日: 2016/12/07
  • メディア: 単行本



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