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『幸せになる勇気』 [☆☆]

・いつも遠くの風景ばかりを語って、足元のぬかるみを見ようとしていない!

・尊敬なきところに良好な対人関係は生まれず、良好な対人関係なくして言葉を届けることはできません。

・世間一般で考えられている共感、つまり相手の意見に「私も同じ気持ちだ」と同意することは、単なる同調であって、共感ではありません。

・私にとっての目的論は、画期的な視点ではあっても、万能の真理ではありません。

・「これでよかったのだ」と思いたいから、過去がよい思い出になる。

・我々の世界には、本当の意味での「過去」など存在しません。十人十色の「今」によって色を塗られた、それぞれの解釈があるだけです。

・歴史は常に勝者が書き換えていくもの。われわれ個人も同じです。人間は誰もが「私」という物語の編纂者であり、その過去は「今の私」の正統性を証明すべく、自由自在に書き換えられていくのです。

・そこには「悪いあの人」という言葉、そして「かわいそうな私」という言葉が書かれている。思い悩んだ人間が訴えるのは、結局このいずれかなのだという。

・我々が語り合うべきは、「これからどうするか」なのです。「悪いあの人」などいらない。「かわいそうな私」も必要ない。

・子供たちは残酷なのではなく、ただ「知らない」のです。命の価値を、そして他者の痛みを。

・彼らは「いいこと」をしているのではありません。ただ「ほめられること」をしているだけなのです。

・「ほめられること」をやり遂げるだけの勇気や根気が足りない。そういうとき、人は「ほめられなくてもいいから、とにかく目立ってやろう」と考えます。悪いことや、叱られるようなことをしてでも。

・周囲に対しては「自分はこれだけ無能なのだから、課題を与えないでくれ。自分にはそれを解決する能力がないのだ」と表明するようになる。

・罰とは、罪に対する唯一の抑止力なのです。

・あなたは生徒たちに「原因」ばかり聞いている。そこをいくら掘り下げても、責任放棄と言い訳の言葉しか出てきません。あなたがやるべきことは、彼らの「目的」に注目し、彼らと共に「これからどうするか」を考えることなのです。

・「伝えること」はコミュニケーションの入口にすぎません。最終的な目標は、合意の形成です。伝えるだけでは意味がなく、伝えた内容が理解され、一定の合意を取りつけたとき、はじめてコミュニケーションは意味を持つ。

・「裁判官の立場を放棄せよ」と語っています。あなたは裁きを下す特権など与えられていない。法と秩序を守るのは、あなたの仕事ではないのです。

・あなたはただ「変えられないもの」ばかりに注目して「だから無理だ」と嘆いている。「変えられないもの」に執着するのではなく、眼前の「変えられるもの」を直視するのです。

・相談者に「先生のおかげで治りました」と言わせるカウンセリングが、何も解決していません。言葉を返せば、これは「私一人では何もできない」という意味なのですから。

・「先生のおかげで卒業できました」とか「先生のおかげで合格できました」と言わせる教育者は、本当の意味での教育には失敗しています。生徒たちには、自らの力でそれを成し遂げたと感じてもらわなければなりません。

・幸福の本質は「貢献」なのだ。

・「先生のおかげで」という言葉を待っているのだとしたら。……それは結果として、生徒たちの自立を妨げているのだと思ってください。

・自分の人生は、日々の行いは、すべて自分で決定するものなのだと教えること。そして決めるにあたって必要な材料――たとえば知識や経験──があれば、それを提供していくこと。それが教育者のあるべき姿なのです。

・教育者に求められるのは、問題行動を起こす「個人」に目を向けることではなく、問題行動が起きる「共同体」に目を向けることです。そして個人を治療しようとするのではなく、共同体そのものを治療していくことです。

・承認には終わりがないのです。他者にねじを巻いてもらわなければ動けない、ぜんまい仕掛けの人形と変わらないのです。

・「私」の価値を。他者に決めてもらうこと。それは依存です。一方、「私」の価値を、自らが決定すること。これを「自立」と呼びます。

・人格形成まで含むような「広義の教育」は、家庭の責任である。すなわち、暴力的な問題児がいたとした場合、そういう子供に育てた一義的な責任は、親にある。

・他者を救うことによって、自らが救われようとする。自らを一種の救世主に仕立てることによって、自らの価値を実感しようとする。これは劣等感を払拭できない人が、しばしば陥る優越コンプレックスの一形態であり、一般に「メサイア・コンプレックス」と呼ばれています。

・彼女が犬のように振る舞っていた理由について、こう理解していました。彼女は、自分の母親から「犬のように扱われた」と感じた。本当に犬のように扱ったかどうかは、わかりません。しかし少なくとも彼女は、そう「感じた」のです。そして母親への反発として、「いっそ犬の役を演じてやれ」と無意識のうちに決心した。いわば、一種の自傷行為として。

・人間は「私を疎外する他者」の存在があってはじめて、孤独を実感できるのですからね。本当の「ひとり」であれば、孤独も生まれません。孤独は「関係」の中にだけ、存在します。

・「信用」とは相手のことを条件つきで信じることです。要するに、「その人」を信じているのではなく、その人の持つ「条件」を信じている。

・「信頼」とは、他者を信じるにあたって、一切の条件を付けないことです。これは「その人を信じる自分」を信じる、ということでもあります。

・群れをつくるだけであれば、多くの動物たちがやっていることです。しかし人間は、そこに高度な分業システムを組み込んだ上で群れをつくった。むしろ、分業するために社会を形成したと言ってもかまわない。

・分業社会においては、「利己」を極めると、結果として「利他」につながっていく。

・職業に貴賤はないのです。すべての仕事は「共同体の誰かがやらねばならないこと」であり、われわれはそれを分担しているだけなのです。

・人間の価値は「どんな仕事に従事するか」によって決まるのではない。その仕事に「どのような態度で取り組むか」によって決まるのだ。

・「この人と一緒に働きたいか?」「この人が困ったとき、助けたいか?」を決める最大の要因は、その人の誠実さであり、仕事に取り組む態度なのです。

・何より危険なのは、何かが善で、何かが悪であると、中途半端な「正義」を掲げることです。

・われわれは「自分のことを信じてくれる人」の言葉しか信じようとしません。「意見の正しさ」で相手を判断するのではないのです。

・手をつなぎたいのならば、自分から手を差し出すしかないでしょう。

・仕事によって認められるのは、あなたの「機能」であって、「あなた」ではない。より優れた「機能」の持ち主が現れれば、周囲はそちらになびいていきます。

・他者に無条件の信頼を寄せること。尊敬を寄せていくこと。これは「与える」行為です。

・あなたは与えようとせず、「与えてもらうこと」ばかりを求めている。さながら物乞いのように。金銭的に困窮しているのではなく、心が困窮しているのです。

・相手のことを神格化するような愛。あるいは逆に、性的な欲動に駆られた、動物としての愛。さらには、自らの遺伝子を次代に残さんとする、生物学的な愛。およそ世間で語られる愛は、このいずれかを軸にしたものでしょう。

・宗教じみた「人類愛」であれば、人は嬉々として語りますよ。ある意味それは他人事であり、空論に過ぎませんから。でも、自分自身の恋愛については、なかなか言葉にできません。

・愛に「落ちる」のではない、ということです。築き上げるものです。「落ちる」だけの愛なら、誰にでもできます。

・利己的に「私の幸せ」と求めるのではなく、利他的に「あなたの幸せ」を願うのでもなく、不可分なる「私たちの幸せ」を築き上げること。それが愛なのです。

・我々は「私」の幸せを求めて人生を歩みます。これはすべての人がそうです。しかし、本当の愛を知ったとき、「私」だった人生の主語は、「私たち」に変わります。

・連中は泣けばすむと思っているし、傷をさらけ出せば免罪されると思っている。しかも、強い者を「悪」と見なし、弱い自分を「善」に仕立て上げようとする。

・泣き、怒り、叫んで反抗する子供は、感情をコントロールできないのではありません。むしろ十分すぎるほど感情をコントロールした結果、それらの行動をとっているのです。そこまでしなければ親の愛と注目を得られないと直感して。

・第二子は、革命を志向します。第一子のように既存の権力におさまろうとするのではなく、既存の権力を転覆することに価値を置くのです。

・運命の人を求めるのではなく、運命といえるだけの関係を築き上げるのです。

・あなたの願いは「幸せになりたい」ではなく、もっと安直な「楽になりたい」だった。

・「花が好きだ」と言いながら、すぐに枯らしてしまう人がいます。たしかにその人も、花を眺めることが好きなのは事実なのでしょう。しかし、「花を愛している」とは言えない。愛は、もっと献身的な働きかけなのです。

・思想を大切なものにするからこそ、それを更新していなければならない。原理主義になってはならない。

・答えとは与えてもらうものではなく、自らの手で導き出すものだ。



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