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『アフロ記者が記者として書いてきたこと。退職したからこそ書けたこと。』 [☆☆]

・ほとんどの人が笑っている。笑われているのかもしれない。それでもいいのだ。私は今、常に笑顔に囲まれているのである。

・新聞は日頃「公正な選挙は民主主義の根幹」と訴えているのです。なのに、選挙の勝者が強いリーダーシップを発揮すると文句を言う。

・いつまでやるのかって? たぶん、いつまでも。

・差がなければ豊かさを実感できないのかもしれない。冷暖房だってそう。温度差をつけて、豊かさをかみしめる。で、その差は本当に幸せをもたらしたのか。

・冷蔵庫とは、時を止める装置であった。まずはいろいろ買い、とりあえず冷蔵庫。今は使わないが、いつか使う(かも)。冷蔵庫には将来の可能性がいっぱい詰まっている。

・電気の否定は豊かさの否定につながる。貧しさの強要。

・国のどこに原発が何基あるかも知らぬまま、福島の事故を迎えたのである。目の前の大事なことがあっても、ヒントを与えられても、空気を読みうまく立ち回ろうとする濁った目には何も映らない。

・わずかな反響は苦情と訂正要求。「正しいこと」には別の「正しいこと」が返ってくる。

・条例で特別扱いしてもらうことが本当に業界のためになるのか。

・一人が怖くなくなると人生も怖くなくなる。

・いろんなモノをなくしてみたら、ふだん「ない、ない」と思っていた時間がどーんと現れる。

・ふだん使う器こそ、一つでいいからいいものを買ったらいいですよ。そうすると、それが自分の基準になります。ものを見る目が変わります。

・これまでの新聞は、「お上」という権力を絶対悪とみなし、権力側がすすめる施策でほんろうされる「庶民」の声を代弁していればよかった。

・本当に想定しなくてはいけない読者は、朝日新聞的リベラルな主張を、ウソっぽい、あるいは嫌いだと感じている、世の中の9割の人たちだった。

・批判しようと思ったら、いったん「肯定」するところから出発しなければいけなかったのだ。考えてみれば、人間関係でも同じことである。

・きれいごとを言い、上から目線で、一皮めくれば既得権化しているのにエラそうに説教をたれる。

・「他紙に載ってウチに載っていないとマズイ」「他紙より扱いが悪いとマズイ」といったコップの中の勝ち負けの論理で動く。

・誰も「正しい答え」など求めていなかった。ただ聞いて欲しい、共感して欲しいという思いだけがパンパンに詰まっているのだ。

・今求められているのは「立派な見解」でも「正しい意見」でもない、ふつうの弱い人間同士が共感し励ましあえる場なのではないか。

・正しいことが正しい結果を生むとは限らない。

・記事はどんどんひっかかりのない、つるんとしたものになっていく。つるんとしていればいるほど抗議を受けることもない。かくして「読者目線」の新聞が出来上がっていく。

・マスコミは万年与党の悪口を言い、スキャンダルを掘り返し、ケシカランと拳を振り上げていれば誰も傷つけずに正義の仮面をかぶることができた。

・原稿は読者に何かを伝えるためのものでなく、社内での出世競争のための報告書みたいになっていく。

・苦しんでいる人は、何を見ても、誰に話を聞いても、解決のヒントになりそうなものは見逃さない。

・本当の自由とは「なきゃやっていけないもの」、すなわち必需品を増やすことではなくて、その逆、つまり必需品を減らしていくことなのだと思うのです。あれがなくても、これがなくてもやっていける自分を作っていくこと。



アフロ記者が記者として書いてきたこと。退職したからこそ書けたこと。

アフロ記者が記者として書いてきたこと。退職したからこそ書けたこと。

  • 作者: 稲垣えみ子
  • 出版社/メーカー: 朝日新聞出版
  • 発売日: 2016/06/20
  • メディア: 単行本



アフロ記者が記者として書いてきたこと。退職したからこそ書けたこと。

アフロ記者が記者として書いてきたこと。退職したからこそ書けたこと。

  • 出版社/メーカー: 朝日新聞出版
  • 発売日: 2016/06/20
  • メディア: Kindle版



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