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『独学の技術』 [☆]

・要するに、高校までの中等教育期間では、「誰でもしていることができるようになる」(例えば四則演算)、「誰でも知っていることを知るようになる」(例えば日本の歴史)ということが目標である。社会人として生活していくのに、最低限必要な技能・知識の取得が目標なのである。

・ものの本によると、ひとつの外国語を習得するには延べ900時間、ピアノが弾けるようになるには1000時間かかるという。

・本当に知的ということは、問題を解く力があるということではなく、自分で問題を発見する力があるということであり、またわからないという状態に耐えることができるということなのである。

・世はインターネットの時代である。インターネットの普及によって、独学者は便利な手段を手にするようになった。

・従来は大学院を受験するには、四年制大学を卒業しなくてはならなかったが、平成十一年の法改正で、大学を卒業していなくても、各大学が独自に行なう資格審査をクリアすれば入学できるようになった。

・勉強に限らず、スポーツでも遊戯でも、一人では面白くない。

・文章には、「自分のために書く」ものと「人のために書く」ものがある。自分のために書く文章の典型は日記である。

・アカデミック・ライティングは読む人を説得する文章である。

・「私はこう思う」といくら書いても説得的にはならない。読む人を説得するには、あなたの主張を支える論拠がなくてはならない。論拠になるのは、現象の観察から得られた事実である。

・テーマをしぼるためにしなくてはならないことは、「テーマに問いかける」ことである。「教育における親の役割について述べよ」というテーマなら、ここで「教育」といっているのは、家庭教育なのか学校教育なのか、もし学校教育ならば小学校の初等教育なのか、それとも中学・高校の中等教育なのかと問いかけるのである。

・アカデミック・ライティングは、「です・ます」調ではなく、「だ・である」調で書く。また両方を混ぜて使ってはいけない。

・アカデミック・ライティングでは、「私は」や「…と思う」は禁句である。これは個人的感慨を述べる感想文で使う言葉である。アカデミック・ライティングでは、客観的証拠に基づいて事実を述べるので、「私」も「思う」も入る余地はない。



独学の技術 (ちくま新書)

独学の技術 (ちくま新書)

  • 作者: 東郷 雄二
  • 出版社/メーカー: 筑摩書房
  • 発売日: 2002/02
  • メディア: 新書



タグ:東郷雄二
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