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『ストレス一日決算主義』 [☆☆]

・メンタルヘルスで重要なのは「今」と「これから」です。なぜなら、人間はどんなに頑張っても「過去」を変えることはできないからです。もう一つ、メンタルヘルスで目を向けない対象があります。それは「他人」です。この他人という存在も、やはり変えることは不可能です。

・悩んでいる当人は、誰に相談すべきなのか、どのように相談のきっかけを作ればいいのかがわからずに苦しんでいることが多いものです。

・もし、社員全員が1~2時間の残業をしても仕事が終わらないような状況であれば、それは会社の方に問題があります。

・現在の日本では、理由はどうあれ倒れることがあれば、24時間365日、どんな山奥であっても救急車や救命ヘリが出動し、しかるべき病院に運ばれ、手厚い治療を受けることができます。ところが、どんなに具合が悪くても、本人が倒れなければ、たとえ病院の目の前の会社で働いていたとしても、なんの治療も受けることができません。

・できることといえば、その状況に対峙している人の話を聞き、「こんな選択肢もあるのではないでしょうか?」と提言をすることくらいです。しかし、本当に思い悩んでいる人は、その「選択」ができないことも事実です。

・あなたにはまだ「最後の手段」が残されています。それは人生を終えることではなく、死ぬ気になって嫌な対象から逃げることです。

・相談する側だけでなく、される相手もうつ病なので、健康な人なら絶対に言わない「死んだ方がいいかも」などというアドバイスをしてしまう。言われた方も「この人は私のことをわかってくれる」と感じてしまい、「じゃあ一緒に死のう」となるのです。

・「借金で首が回らない」というのは、うそではありません。ストレスに対する人間の自然な反応の一つとして、本当に「首が回らない」という症状が出ることがあります。

・現代社会は、病気になったらどんな薬を飲めばいいのか、どこの病院の何という医者が腕がいいのかと、「病気になってから」のことばかりを考えるようになってしまっているのです。

・現代においての食事は、「食べることを楽しむ」という本来の食事の意味よりも、単なる「エサ」に成り下がってしまった感があります。つまり、食事に「文化」が感じられないのです。

・フルマラソンの距離は42.195キロメートル。この「42.195」という数字は「死に行くGO!」と読むことができます。

・かくれんぼには「信頼」があります。隠れる側は「鬼が見つけてくれるところ」に隠れ、鬼は相手が「見つけられるところにいる」と信じて探します。だから見つかった時にはお互いの信頼が確認できて喜び合える。見つけた方が喜ぶのは当然ですが、見つけられた方までうれしいのは、この信頼によるものなのです。

・大人に察する能力がないことを経験的に知っているため、「何を言っても無駄」と考えてあまり話をしないようになってしまうことがあります。

・最近は育児の技術を「知識」として取り込もうとする傾向にあります。本やインターネットなどで情報を集め、そのまま実践に移そうとするので、そこにイレギュラーな事態が発生すると、途端に対応できなくなってしまう。柔軟性がないのです。

・「誰かに傷付けられた」と言って心療内科を訪れる「傷付き症候群」の人は、「私は人を傷つけたことなどないのに」と言う点が共通した特徴です。しかし、実際にはそんなことはありません。人間は、傷付けられることにはとても敏感で、その一方では、人を傷付けていることに関しては鈍感です。

・深呼吸をすることは、横隔膜と肋間筋という、いわゆる「呼吸筋」を鍛えることにつながります。最近よく「笑うと免疫力が高まってがんの治療に役立つ」という話題が新聞や健康雑誌などで取り上げられますが、これは笑うことで横隔膜が刺激されて免疫活性が高まることによるものなのです。

・たとえ眠くても早起きをします。当然その日一日は眠くてしょうがないと思いますが、我慢して一日を過ごしてしまえば、その日は自然に早寝になってしまい、翌朝からは「早起き早寝」がスムーズに稼動するようになります。

・酒は時として自殺を後押ししてしまうこともあります。アルコールで気が強くなって、シラフならできない自殺に及ぶ。

・どんな人がアルコール中毒になるのでしょう。もっとも危険なのは、脱サラ組です。しかも、それまでの会社員生活に大きな不満を持っていて脱サラした人は、それだけ酒量が増えていることが多いのです。その状態で「朝から飲める」生活に入ってしまったら、もはやアリ地獄にはまったアリのごとく、アルコール中毒に向けてまっしぐらになる危険性が高くなります。



ストレス一日決算主義 (生活人新書)

ストレス一日決算主義 (生活人新書)

  • 作者: 山本 晴義
  • 出版社/メーカー: 日本放送出版協会
  • 発売日: 2005/03
  • メディア: 新書



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