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『俳句という愉しみ 句会の醍醐味』 [☆]

・船場の大家の番頭さんのような馬鹿丁寧な言葉遣いは、トレードマークである。

・身体の弱いと自覚している人ほど、自分を大切にするため逆にエネルギーがありあまっているように見えることがときどきある。

・きわめて明晰な話し方をする。その明晰さは自分ひとり高しとする類のそれではなく、一座を自然なまま、知的な雰囲気にする類のものなので、彼ひとりいるだけで一座のIQが上がるような気がする。

・俳句は基本的には集中力でものする文芸である。時間がない方が却っていいのが出来るといった場合も多い。なまじ時間があるすぎるとダレてしまう。

・俳句は野球にたとえられるかもしれない。ひとりで野球の練習をすることはできる。野球を学ぶこともできる。しかし、ひとりで野球をすることはできない。俳句もまた同じである。俳句の練習をすることも、学ぶこともひとりでできるが、ひとりで俳句を完成させるはできない。俳句は、詠む人と読む人がいて初めて俳句たりうる。



俳句という愉しみ―句会の醍醐味 (岩波新書)

俳句という愉しみ―句会の醍醐味 (岩波新書)

  • 作者: 小林 恭二
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 1995/02/20
  • メディア: 新書



タグ:小林恭二
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