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『ジグβは神ですか』 [☆☆]

・田舎は田舎だ。とにかく不便だ。そして寂しい。それに尽きる。それらの問題は、どんなに綺麗な風景を見ても解決できないものなのだ。

・鳥小屋の鶏みたいにな、目の前に餌があるのが便利か? わざわざ餌を探しにいくのが不便か? そういう不自由な便利さにならされとるのが都会人だがね。まあ一種、家畜みたいなもんだわさ。

・新聞やテレビなどは、取材したらそれっきり、なんの確認もできません。まるで間違ったこと、言ってもいないことを発表されたりします。まあ、チェックを受けないのが報道の自由だ、というのが彼らの主張するところですね。

・戦争を起こしたのは全面的に自分たちの過ちで、原爆が落ちたのだって、もう繰り返しませんなんて言っているくらいだからね。あれ、まるで、自分たちで爆発させたみたいな言葉だよね。あれって、英訳したら、主語はどうなるんだろう。

・嫌なことは我慢せず、できるだけ避けるという合理性が、理系の男子にはよく見られる傾向である。

・毎日、満員電車に乗って働きにいくとか、毎日みんなが同じテレビを見て、同じもので笑ったり怒ったりしているじゃないですか。まるで宗教だと思いませんか?

・羊はいつも怖がっているのよ。でも、それでも毎日草を食べる。

・スポンサである宗教は、芸術家を食わせる、そして、彼らの作品を布教活動に利用することで元を取るのだと。

・今は、芸術も建築も、宗教からは解放されたけれど、これはつまり、宗教以外のものに富が配分されて、いろいろなところから仕事をもらえるようになったからなのね。

・科学者というのは、悲観的な人間です。世界一の天才なのですから、世界中の誰よりも悲観しているはずです。楽観しているのは、計算をしない幸せな凡人たちよ。

・天才なら凡人の振りができますが、凡人には天才の振りはできません。

・あの自信に満ち溢れた目。悪いことなど何一つしていない、という傲りです。

・自分のプロジェクトを成功させるために、頭の良いものならば、単純な手法を選択し、複雑な飾り付けを施す。矛盾しているように思わせることだって、結果的に利となる。

・大衆は、犯行の動機が理解できないことで、自分との距離が遠いと確認したい。だから、異常なら異常で大いにけっこうなんだ。異常だというレッテルを貼ることで処理ができる。自分のごく身近に、そういう異常さがなければそれで良い。

・異常なんてものは、存在しない。あるとしたら、みんながそれぞれ異常を持っている。あるいは、ほとんどの人間は異常だ。異常を平均したものが常識という幻想だといっても良い。

・自分はこんなことができるんだって、きっと震えたんじゃないかな。異常ではないと思う。ただ凄まじいだけ。

・真実に近づくことはあっても、けして真実に触れることはできないのだ。そんなことは、犯行に及んだ本人だってできない。自分の行動、自分の気持ちについて、何が真実なのか、きっとわからないにきまっている。





ジグβは神ですか (講談社ノベルス)

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  • 作者: 森 博嗣
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2012/11/07
  • メディア: 新書



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