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『腐ったリンゴをどうするか?』 [☆☆]

・生きる(live)という言葉を反対から読めば悪(evil)となる。すなわち「生きる」というポジティブな行為は必然的に「悪」というネガティブな側面をともなう。

・同じ行為でもイメージが良い人の場合は「省エネ」になり、イメージが悪い人の場合は「手抜き」になる。

・実際にはブレストよりも、個人がそれぞれ考えた成果を集めたほうが優れていることが数多くの研究で実証されている。

・アイデアの質は「実行可能性」と「独創性」の組み合わせで分類できる。「両方とも高いもの」=良いアイデア。「両方とも低いもの」=悪いアイデア。「前者が高くて後者が低いもの」=平凡なアイデア。「前者が低くて後者が高いもの」=クレイジーなアイデア。

・アリの集団でも働きアリの2~3割しか働いておらず、あとはぶらぶらしているということである。すべてのアリが働かなければならないような余裕のない集団は、おそらく存続できないであろう。

・英語にも「腐ったリンゴは隣を腐らす」(The rotten apple injures its neighbor)ということわざがある。

・訓練や対策がなされればなされるほど、緊急事態では過去の方法にこだわって逆効果になるというパラドックスである。これを防ぐためには訓練がルーチン化しないことが大切であろう。

・訓練をルーチン化させないというのはなかなか難しい。というのは、もともと訓練は行動をルーチン化させるために行なうのだからである。

・国会議員でも居眠りをするということは、公共の場所での居眠りが許容される暗黙の規範が日本には存在しているのかもしれない。

・日本に来た外国人は、日本人が電車でも教室でも会議中でもどこでも「居眠り」するのに驚くらしい。

・現在も「正しいこと」はたくさんあり、それが真面目に、かつ声高に叫ばれていて、それに対して公の場で疑問を呈することは許されない。「改革」「国際化」「ハラスメント防止」などがそれである。

・社会や集団は理想を掲げ、真面目に努力する「目が澄んだ人」とそれが極端になることを抑制する、あるいは不可能にしてしまう「目が濁った人」によって成立しているものと思われる。

・「薩摩守(さつまのかみ)を決め込む」という言葉がある。これは『平家物語』に出てくる平忠度(たいらのただのり)が薩摩守であったことからくるダジャレのようなものである。フリーライド(ただ乗り)とは、集団に貢献することなく集団から利益のみを得るような行動全般を指す。

・食行動と社会的促進は密接に関連していることがわかっている。食事時間も集団の場合は長くなり、量も多くなる傾向がある。ダイエットを考えている人は、食事はなるべく一人で食べるほうがよいということになる。

・リーダーが与える報酬はポジティブな効果をもたらすが、罰に関しては明確な結果は見いだされていないと結論づけている。会社において、ダメな部下を怒鳴ったところで効果はないのだ。



腐ったリンゴをどうするか?

腐ったリンゴをどうするか?

  • 作者: 釘原 直樹
  • 出版社/メーカー: 三五館
  • 発売日: 2015/06/23
  • メディア: 単行本



タグ:釘原直樹
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