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『カイジ「したたかにつかみとる」覚悟の話』 [☆☆]

・妄(みだり)に道徳に反するものは経済の念に乏しいものである。妄りに道徳に屈するものは臆病ものか怠けものである。

・あの水害の中、通勤・通学しなければいけない理由とは何だったのか、強い疑問を感じます。多くの人は、「どうしても行かなければいけない予定があった」のではなく、「行かないという選択肢がなかった」のです。果たしてこれが「人として正しい行動」なのでしょうか?

・老子がこの世で一番強いものと定義したのが「水」でした。水は、あらゆるものに合わせて形を変えます。それが結局、強いということです。

・アダム・スミスは「正しい人間」と「正しくない人間」を「賢人」と「軽薄な人」と表現しています。そして「賢人」は「自分の中の裁判官」からの評価を重視する人であり、「軽薄な人」は自分がなく「社会からの評価」に右往左往する人だと説明しました。

・現代で最も悪徳なビジネスのひとつが、この「情報弱者に夢を見させて、高額な商品を買わせる」という形態だと感じています。

・「情報弱者」とは、要するに「何も知らない人」という意味です。何も知らない人に「これを買えば、あなたの夢が叶う! 買わなければ、あなたの夢は一生叶わない!」と煽り、高額の商品やサービスを買わせます。

・自分に届かない攻撃(実害がない攻撃)には反応してはいけない。当たるとわかって初めて「受け」をするのだ、と指導されました。そのため、空手の「受け」は非常にコンパクトな動きです。

・「社会のために!」を掲げる人が増えてきました。その思いは、別に悪いことではありません。ただし、別に「いいこと」でもありません。

・世の中にとってすばらしい活動をされている非営利団体はたくさんあります。しかし、その非営利団体がすばらしいのは、「すばらしい活動」をしているからであって、「非営利だから」ではないはずです。

・『資本論』という歴史的大著があります。資本主義経済の本質を解き明かし、なぜ労働者はいつまでたっても貧しいのか、なぜ何もせずに金持ちになる人がいるのかなど、この世の中の搾取構造を明確にしています。

・いろいろな問題をお金が引き金で経験しているのに、「世の中はお金じゃないんだ」と繰り返します。もはや圧倒的な強がりにしか聞こえません。

・失業者は、単に経済的に窮するだけではありません。仕事をしていない、仕事につけていないという理由で、世間から「できない奴・使えない奴」というレッテルを貼られ、自尊心を大きく傷つけられる、ということです。

・日本はサービス業が生み出す付加価値が小さいと言われてきました。しかし、私はこの問題の本質は生産性ではないと思っています。形のないサービスが「安く買い叩かれてしまう」ことが原因なのです。

・日本人は、サービスに対してお金を払いません。「サービス」とは、「おまけをしてもらう」ということではなく、「人に何かをしてもらう」という意味です。

・「話を聞いている人が理解できなかったことに責任がある」と考える「受信者責任」と、「伝える側が伝えられなかったことに責任がある」と考える「発信者責任」に分けられます。

・受信力が重視されると、質問ができなくなります。質問したり、相手に確認したりすることは、「自分が理解できていない証拠」だからです。

・受信力を鍛えた結果、たどり着けるのは「人の言うことを聞ける人材」です。自分自身の想いを叶える人材ではありません。

・「求めれば……周りが右往左往して世話を焼いてくれる、そんなふうにまだ考えてやがるんだ、臆面もなく……! 甘えを捨てろ。

・モンテスキューは、貴族を商業から締め出すことは、富が権力者の手に集中することを防ぐという点で、望ましい社会の政策であることを明らかにした。

・ローマ帝国衰亡の原因の一つは、貴族が商業に従事することを許し、その結果として少数の元老の家族によって富と権力が独占されたことにある。

・日本人は、変に真面目なところがあり、「言われていないことはやってはいけない」と感じる傾向があります。でも、実社会では違います。「言われていないことは、やっていい」のです。「禁止事項」とされていなければ、構わないのです。

・人間社会は信頼関係で成り立っています。しかしそれは「常にあなたの都合がいいように相手が動いてくれる」ということではありません。

・自分のスケジュールは空いています。でも、予定が空いているから、相手の希望を聞くというのは、まだ使う予定がないお金が銀行口座に残っているから、それを相手にあげるというのと基本的に変わりません。

・どうでもいい相手が、あなたの財布から「ちょっとちょうだい」とお金を抜こうとしたらかたくなに拒否しますよね。時間もお金と同じように扱うべきです。

・自分の「予定表」が空白になっているから奪われてしまうのです。自分の予定表に何も書いていないので、「空いているから」といって、その場その場で言われた他人の予定を入れ込んでしまう。そして、他人の予定をこなすことで忙しくなり、「時間がない」と愚痴をこぼしています。

・まず自分のスケジュールを「予定表」に書き込まなければいけません。自分が大事にしていることを、真っ先に予定に入れ、時間をエネルギーを確保しなければいけません。

・ここで言う「大きな石」とは、君たちにとって一番大事なものだ。それを最初に壺の中に入れなさい。さもないと、君たちはそれを永遠に失う事になる。もし君たちが小さな砂利や砂や、つまり自分にとって重要性の低いものから自分の壺を満たしたならば、君達の人生は重要でない何かに満たされたものになるだろう。そして大きな石、つまり自分にとって一番大事なものに割く時間を失い、その結果それ自体失うだろう。

・世の中には「教えてくれ」「説明してくれ」が当たり前になっている「クレクレ人間」が多い。しかし相手がどんな情報を差し出そうとも必ず自分で確認するという習慣を持たなければ簡単に騙されてしまうのだ。

・相手が言ったことを鵜呑みにし、自分で確認しようという意識がありません。だから真偽を確認できないようなことを堂々と聞いてしまうのです。まるで、じゃんけんをする相手に「次、何出す?」と質問するようなものです。

・子供の時に「疑わない教育」「教えられたことを鵜呑みにする教育」をされてきたら、当然のように「情報を鵜呑みにする大人」ができ上がります。

・「鵜呑みにするな」というアドバイスの代わりに自分に言い聞かせるのは、「裏を取れ」「裏が取れるまで、行動するな」ということです。

・どうすれば、「自分で考える人間」になれるでしょうか? まずやっていただきたいのが「それが当てはまらないケースを探す」方法です。



カイジ「したたかにつかみとる」覚悟の話

カイジ「したたかにつかみとる」覚悟の話

  • 作者: 木暮太一
  • 出版社/メーカー: サンマーク出版
  • 発売日: 2016/02/01
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)



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  • 発売日: 2016/02/05
  • メディア: Kindle版



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