SSブログ

『夫のトリセツ』 [☆☆]

・男女の脳は違わない。しかし、チューニングが違うのである。

・もしも、利き手がなかったら、身体の真ん中に飛んでくる石を避けられない。

・尋問じゃ、会話が進まないだけじゃなく、相手を不快にさせてしまう。……ということを、男性は知らないのである。

・息子も夫も、コツは一緒。心がけて、用事のない会話をすることだ。

・用事のない会話ができる子どもは、「ナスがたくさんあるけど焼きナスがいい?揚げびたしがいい?」みたいな問いかけにも、「どっちでもいいよ、面倒くさい」なんて言わない。家族の幸せな会話が成り立つのである。

・男の愛とは、約束を愚直なまでに守ることなのだ。

・コンサルタント時代のボスにこれを指摘された。「君は、経緯から長々としゃべるだろ。あれはバカに見えるからやめなさい。クライアントに質問されたら、先に、結論を言ってやれ。詳細説明するときは、ポイントの数を言うこと」

・「この世にダメな脳なんてない」と述べたが、残念なことに、邪悪な脳というのはたしかにある。他人を貶めることで、自分の存在価値を確認する人たちだ。根っからの意地悪なのである。

・どうしても説得したいときは、相手の欠点を指摘する論法は避けること。「あなたの意見は、ここがダメ」とはけっして言ってはいけない。

・私は一時期、自分をシングルマザーで、夫を「なぜか子育てに協力してくれる友人」だと思って暮らしていた。そうすると、ブレずに主体的になれたから。それにシングルマザーのつもりでいると、夫はかなり協力的に見えたのだ。

・男性脳は、身体拡張感覚が強い。車や道具を、自分の身体の一部のように扱う感覚が鮮明なのだ。タイヤが小石を踏んだら、まるで自分の足で踏んだようにリアルに感じる。

・彼らの脳は、仕掛けのある機構に夢中になる。「仕掛けのある機構」=メカや道具が手に入ることこそが、脳の憧れなのだ。

・身体拡張感覚の強い男性脳は、妻をも、そのように感じてしまうのである。自分の身体の一部のように。だから、褒めないし、お礼も言わないのだ。自分の腕に「よくできたね」と言わないように、自分の心臓に「毎日、ありがとう」と言わないように。

・夫の脳が、妻を「秀逸な道具」だと思い込んでいるので、それを果たさないときに腹が立つからだ。切れるはさみだと思っていたのに、今日突然切れなかったら、腹が立つでしょう? それと一緒だ。

・脳は、インタラクション(相互作用)に興奮するように作られている。自分の存在や行動が、他者(人でもモノでも組織でも)になんらかの影響を与え、その反応が返ってくることで快感を覚える。

・頑張りすぎない。してあげて、してもらう。してあげるのは「私がいるから、この人は生きられる」を実感するため。してもらうのは「僕がいるから、この人は生きられる」を実感させてあげるためだ。「自分がいるから」、そう思えることほど自己肯定感を高めることはない。それを家族にもプレゼントしよう。

・昨今、アスペルガー症候群とまではいかなくても、共感能力の著しく低い人が増えている。本人には悪気はないのだが、周囲にしてみれば、「終始機嫌が悪く、話を聞いていない人。周りに興味のない人」に見える。職場なら、みんなが遠巻きにする。本人は傷ついて、「この部署は居心地が悪い。上司は理解してくれない、ちゃんと指導してくれない」と言い出す。

・メモは自分のために取るわけじゃない。話し手を安心させるために取るものなのよ。あなたの話をちゃんと聞いてます、わかっています、忘れません、という意思表示。

・ビジネスシーンでは、やる気があるかどうかより、やる気があるように自分を演出できているかどうかが大事なのである。「やる気があるのに、そう見えない」は、プロとして最も恥ずかしい。

・女性脳にとっての「共感」は、マニュアル車のクラッチペダルに似ている。まず気持ちに共感してあげないと、どんな意見も「駆動部」に届かないのである。

・男性脳は、半径3メートル以内で起こっていることに、とんと意識がいかない。目の前のものを見逃すし、妻の所作の多くも見逃す。

・長らく狩りをしてきた男性脳は、半径3メートルより外側の広い世界を「かいつまんで見る」ように進化してきた。

・家事に長けた妻から見たら、時間があるくせに「俺の夕飯は?」なんて言ってくる夫は、自分でお尻が拭けるのに「お尻を拭いて」と言ってくるのと変わらない。そんな尊厳のない夫を愛せないのは、当り前じゃないだろうか。



夫のトリセツ (講談社+α新書)

夫のトリセツ (講談社+α新書)

  • 作者: 黒川伊保子
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2019/10/18
  • メディア: Kindle版



夫のトリセツ (講談社+α新書)

夫のトリセツ (講談社+α新書)

  • 作者: 黒川 伊保子
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2019/10/19
  • メディア: 新書



タグ:黒川伊保子
nice!(0) 
共通テーマ:

nice! 0