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『xはたの(も)しい 魚から無限に至る、数学再発見の旅』 [☆☆]

・二重否定が肯定を意味する言語は多々あるが、どの言語をとっても二重肯定は否定にならない、と断言した。すると、皮肉な口調で肯定を二度重ねた。「はい、はい」。

・現在の世界がこのような形で存在するのは、交換法則が成り立たないからであって、物体が固いのも、原子が内破して潰れてしまわずにすんでいるのも、そのおかげだからだ。

・量子力学が発展しはじめたばかりの頃に、pとqを量子の運動量と位置とすると、自然がp×q≠q×pとなる奇妙なタイプの論理に従っていることを発見した。このような交換法則の破れがなければ、ハイゼンベルクの不確定性原理は成立せず、原子は潰れてなにものも存在し得なかったはずなのだ。

・悪いことにもなにかしらいい面はあるもので、まちがった答えからも……それがまちがっているということに気づきさえすれば、なにがしかの教訓が得られる。まちがった答えのおかげで、誤った類推や乱れた思考が暴露されて、問題の核心がいっそう鮮明に浮き上がる。

・ユークリッドは今から2300年ほど前に『原論』で、この演繹的なアプローチを築きあげた。以来ユークリッド幾何学は、科学にしろ法律にしろ哲学にしろ政治にしろ、ありとあらゆる分野の論理的推論のモデルとされてきた。

・まったく特徴のない均衡状態が不安定になると、決まって──どんな理由であろうと、いかなる物理的、生物学的、科学的過程であろうと──まず最初に正弦波か正弦波を組み合わせたパターンが現れる。

・sine qua non(あれなければこれなし、必須のもの)

・量子力学では本物の原子──ひいてはすべての物質が小さな正弦波の塊として叙述されている。

・ある検察官曰く、「一発の平手打ちは殺人への前奏曲」なのだ。

・芸術でも数学でも、自らに制約を課すことでさらに多くを得ることが多い。たとえば、俳句やソネットと呼ばれる十四行定型詩、「シックス・ワード・メモワール」(自分の人生を六つの単語で語るプロジェクトのこと)などがいい例だ。





xはたの(も)しい: 魚から無限に至る、数学再発見の旅

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  • 作者: スティーヴン ストロガッツ
  • 出版社/メーカー: 早川書房
  • 発売日: 2014/06/20
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