SSブログ

『『サピエンス全史』をどう読むか』 [☆☆]

・農業における変化が人間だけでなく牛やニワトリ、豚にどのようなインパクトを与えたのかを伝えようとしたのです。

・近代科学以前の文化においては、「自分たちは全てを知っている」、「世界について知っておくべき重要なことは、聖書やコーラン、儒教に関する書物を通じて分かっている。これらを読めば知っておくべき重要なことは全て分かるはずだ」という思考が基礎になっていました。

・地球上の大型動物の90パーセント以上は家畜です。

・人間が世界をコントロールすることができたのは、数百万という多くの仲間たちとでも柔軟に協働できるからなのです。

・人々が協力することができるのは、虚構を作り、皆がそれを信じるように納得させると、同じルール、同じ規範に従うようになるからです。

・みんながお金はお金だと思っているからお金なんだよということです。論理学でいうとトートロジーです。

・エルサレムのような聖地が神聖だと言われるのは書物にそう書いてあるからで、ただの物語です。何百万人もの子供たちがポケモンを信じているのと同じように。

・二万年前、コメは重要な植物ではありませんでした。東南アジアの片隅で育成されていましたが、広まっていませんでした。でも、米がホモ・サピエンスを家畜化したのです。ホモ・サピエンスは米を育てるために一日中働くようになりました。つまり米から見たら、人間を家畜化したのは米であり、人間が米に奉仕しているのであって、逆ではありません。

・ステーキを食べたいからといって、牛一頭を飼育する必要があるのか。牛を飼育する必要はなく、ステーキだけを培養すればいいのだ。

・rightはもともと具わっている権利のこと。privilegeは何らかの対価あるいは報賞として与えられるもの。

・世界はフィクション=虚構である。

・人間はよく見える星を結んで星座を作って、あれはオリオン座だ、あれは北斗七星だと名づけました。名づけたと同時に、他の星は背景となって消えてしまった。

・ペトワック(PETWHAC) 。Population of Events That Would Have Appeared Coincidental つまり「本来偶然に過ぎないのに、何か関係があるように見える事象の集合」のこと。

・本来情報というのはどんどん消えていくはずのものです。生物にとっての情報はシグナルの動きなので、急に増えるか急に減るものです。動いているものだけが情報であるはずなのに、ネットがあらゆる情報をアーカイブしてしまっているから、止まっているものが情報だと思われるようになった。

・種の維持に必要な個体数(minimum viable population、MVP)は哺乳類では約3000個体とされている。

・7万年前のトバ火山の超巨大噴火による超寒冷化が過酷な「火山の冬」を引き起こし、それが知的集団を選抜する淘汰圧となって「認知革命」が起きたというのだ。

・小麦や米を主食にすることで、ヒトは肥満を手に入れた。

・ジャガイモとミルクを摂れば、栄養はほぼ満たされる。ジャガイモの作付面積広がるとともに人口も増えた。

・下級人種や劣等民族を皆殺しにするなどと言う人はいないが、人間の生物学的作用に関して深まる一方の知識を使って超人を生み出そうと考えている人は多い。

・近代社会が破綻する要因として、近代産業社会を支える不可欠な基盤であった「大衆(マス)」が突然不要になる、という実践面で大いに影響を与える現実な論点が示されている。

・かつては戦場や工場において、大量の兵士や労働者が求められ、彼らは「労働者階級」として政府や企業から必要とされた。

・情報化時代を迎えて、その多くはスキルを磨いた専門家とロボット、あるいは今後はAIで対処できることになり、多くのマスが不要になる。これをハラリは「無用階級(useless class)」の発生と言っている。



『サピエンス全史』をどう読むか

『サピエンス全史』をどう読むか

  • 出版社/メーカー: 河出書房新社
  • 発売日: 2017/11/27
  • メディア: 単行本



nice!(0) 
共通テーマ: