SSブログ

『オードリー・タン 日本人のためのデジタル未来学』 [☆☆]

・政策がブラックボックスで決まっていたら、国民は政策決定の過程にまったく関与できず、ただ決まったものを知らされるだけになってしまう。それでは、民主国家ではなく全体主義国家と同じになってしまう。

・中国語の「持守」とは「人がその主体性の根拠となる本来のよき心」をいかに「持ち守る」か、つまり「心」をいかに保持するか、という意味だ。修行者であれば戒律を守ることが「持守」であり、ベジタリアンの人が肉や魚を食べないという意志を貫き通すことも「持守」にあたる。

・アプリやプログラムが使いにくいという場合、それはユーザー側ではなく、プログラマー側の問題。

・このとき、政府が採用したのが「Humor over Rumor」(ユーモアは噂を超える)というフェイクニュースを晴らすためのアイデアだ。

・コンセンサス、つまり共通の価値観を追求していく。

・自分の意見が他人と異なっても、文字にすれば他人と共通の感情が生まれる。

・たとえ自分が正しいと思っていることでも、クラスメートの考えは違うかもしれない。だが、決して自分が間違っているということでも、クラスメートが間違っているということでもない。お互いの答えを文字にして突き合せていけば、それぞれの答えの中にある共通したものを見つけ出すことができ、共通の感情を生み出すことができる。

・大人のように扱われれば、子供も大人のような考えができるようになる。

・ただ一緒に暮らしたいだけならいくらでも可能なのに、なぜ同性婚の権利を求めるのか。それはつまり、やはり「家族になりたい」と望んでいるからなのだ。

・家族になるというところにこそ、同性婚に賛成する人も反対する人も「共通する価値」をみつけられるわけです。

・誰もが好き勝手に意見を言っていたらきりがないので、多くの人が(少なくとも過半数以上の人が)納得できる意見を採用しましょう、というのがシンプルな民主主義のやり方だ。

・日本でマイナンバー制度の推進に当たって「国家に個人情報を把握されるのが怖い」などという人がいるが、それは政府と国民の信頼関係の問題だ。個人情報を把握されるというのなら、政府よりもアマゾンの方が、よほど人々の嗜好や生活習慣をよく知っているだろう。

・日本では、マイナンバー制度の前段階ともいえる住民基本台帳ネットワークシステムの頃から、メディアや反対論者が政府による管理ばかりを強調し、不信感が醸成されてきた部分もある。

・オードリーが大切にしている概念のひとつに「共融」がある。中国語で「インクルージョン」を表す言葉だ。「インクルージョン」を簡単に言い表せば「誰も置き去りにしない」ということだ。

・多様性を受け入れて「共に生きる」だけではなく、「共に融合する」ことこそが「インクルージョン」のカギなのである。

・「Radical Trust」(ラディカル・トラスト=徹底的に、他者を信頼すること)

・知識を学ぶような授業は、オンラインでいいと思います。ただ、実技や操作などを伴う学習にオンラインは適しません。たとえば、フィールドワークです。

・プログラミング思考とは、まず問題を小さなステップに分解し、それぞれを既存のプログラムや機器を用いて解決できるようにする方法だ。さらには、問題の中にある共通する部分をみつける方法でもある。つまり、ある場所で問題を解決した方法は、別の場所でも使用することができるわけだ。

・日本の主要紙すべてが社説で「李登輝へのビザ発給支持」と書いたが、ビザを出すかどうかという主権国家として当然の外交事務さえ、自分たちだけで決められず、中国を怒らせたくない一心で反対したわけだ。



オードリー・タン 日本人のためのデジタル未来学

オードリー・タン 日本人のためのデジタル未来学

  • 作者: 早川友久
  • 出版社/メーカー: ビジネス社
  • 発売日: 2021/04/19
  • メディア: Kindle版



オードリー・タン 日本人のためのデジタル未来学

オードリー・タン 日本人のためのデジタル未来学

  • 作者: 早川 友久
  • 出版社/メーカー: ビジネス社
  • 発売日: 2021/04/19
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)



nice!(0) 
共通テーマ: