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『AI vs. 教科書が読めない子どもたち』 [☆☆]

・そこそこのサーバーを使って5分で解けない問題は、スパコンを使っても、地球滅亡の日まで解けない。

・日本ではAIの専門家にすら、近未来にAIが夢のような世界を実現するという期待があります。

・日本ではAIへの期待がこれほど大きいのに、国も企業も、何を目指してAI投資をすればよいかというリアリティに欠けていて、大言壮語する研究者に巨額の予算をつけてみたり、とりあえずAIコンサルに高額な費用を払ったりと右往左往しているように見えます。

・AIには計算できないこと、基本的には、足し算を掛け算の式に翻訳できないことは処理できないことを意味します。

・ワトソンは、医師が専門的知識と常識と論理と倫理観に基づいて診断をする上で必要となる「探し物」を手伝っているに過ぎません。

・「具体例同定」のランダム率は、何と8割です。「偶数とは何か」「比例とは何か」という定義を読んで、偶数や比例を選ぶだけの、計算も公式も必要ない問題において、中学3年生の8割がサイコロ並みにしか答えられなかったのです。

・コピペでレポートを書いたり、ドリルと暗記で定期テストを乗り切ったりすることはできます。けれども、レポートの意味や、テストの意味は理解できません。

・小学生のうちからデジタルドリルに励んで、「勉強した気分」になり、テストでいい点数を取ってしまうと、それが成功体験となってしまって、読解力が不足していることに気づきにくくなります。

・文科省または中教審の基準では、高校までが「学習」で、大学は「学修」なのだそうです。

・教科書が読めなければ、予習も復習もできません。自分一人では勉強できず、ずっと塾に通わなければなりません。けれども大学には塾はありません。社会に出ればもちろんです。

・高校で三角関数と微積分、そして行列は必須です。機械学習も強化学習もシミュレーションも、この3つがわからないとどうにもならないからです。

・AIにできるのは、基本的に生産効率を上げることだけで、新しいサービスを生み出したり問題を解決したりはできないのです。

・ショールームを確保しておくためのコスト、新しい技術を生み出すための研究開発費、商品の品質や安全を保障するための品質管理費などの費用は、まさに情報非対称性や市場の独占によって、捻出されていた側面があります。

・「総務」とか「会計」とか「商品開発」のように名刺を見たら何をしているのかわかるような仕事は、何をしているかわかるが故に、AIに代替されやすく、先細っていくと思われます。

・教師ありのディープラーニングにおいて、AIは決して教師データの精度を超えることはできません。



AI vs. 教科書が読めない子どもたち

AI vs. 教科書が読めない子どもたち

  • 作者: 紀子, 新井
  • 出版社/メーカー: 東洋経済新報社
  • 発売日: 2018/02/02
  • メディア: 単行本



AI vs. 教科書が読めない子どもたち

AI vs. 教科書が読めない子どもたち

  • 作者: 新井 紀子
  • 出版社/メーカー: 東洋経済新報社
  • 発売日: 2018/02/02
  • メディア: Kindle版



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