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『妻のトリセツ』 [☆☆]

・「怒り」は「期待」の裏返し。

・家庭を、のんびりくつろぐ癒しの場所だと思ったら大間違い。それは、母親の翼の下にいた時代の「家庭」のことだ。

・よるとさわると、自分の身に起こったささやかなことを垂れ流すようにしゃべり合い(これは相手への知のプレゼントなのだ)、盛大に共感し合って、相手からの「知のプレゼント」を「とっさに使える知恵」に変えて、脳にしまい込む。それが、井戸端会議の正体であって、かなり知的な行為なのである。

・女が、男との会話を不毛と感じるのは、男たちが「自分の身に起こった、ささやかなこと」をプレゼントしてくれないからだ。「今日会社で、こんなことがあってさ」みたいな話。オチがなくてもいいのである。

・女の会話とは、「日常のささやかな体験」を相手にプレゼントし、受け取った方は共感で返して、「しばしの癒し」をプレゼントする、いわば共感のプレゼント大会なのだ。なのに、男は、どちらのプレゼントも出し惜しみする。

・料理、洗濯、掃除、窓拭き、ゴミ捨てといった「名前のある家事」以外に、「名もなき家事」があることに、目の前の観察力の低い夫はほとんど気づいていないのが現実だ。

・男性脳は、女性脳に比べて行動文脈が短い。女性脳は、「トイレに立ったついでに、ここのものをあちらに持って行き、そして、トイレに行って、帰りにこれをああして、こうして」と比較的長い行動文脈を常時紡ぎ続けている。男性のは、トイレに行くのなら、行く、出す、戻る、しかない。キッチンにコップを持って行くなら、それしかできない。

・脳は、自分の存在や言動に対して、環境(人を含む)が変化することによって外界を認知し、自分の存在も認知する。認知がなければ思考も行動もない。赤ちゃんなどは、周囲との相互作用がなければ、脳神経回路が正常に発達しないくらいだ。

・「寂しい」という感覚があるのは、外界との相互作用が脳の大事なファクターになっているから。「寂しい」という基調音が脳にあり、脳は「寂しい」に対しての相互作用を求めて常に行動している。

・夫は退職してのんびり過ごしているのに、妻には退職がない。夫は家にいるようになって家事が増える。



妻のトリセツ (講談社+α新書)

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  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2018/10/19
  • メディア: Kindle版



妻のトリセツ (講談社+α新書)

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  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2018/10/20
  • メディア: 新書



タグ:黒川伊保子
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『獣たちのコロシアム 池袋ウエストゲートパーク16』 [☆☆]

・おかしな間抜けにからまれる。そいつはセンスのいいやつの宿命だ。

・普段は法律の外側で生きていて、困ったときだけ法にすがるなんて、おれには考えられない。そんな根性なしの半グレみたいなことできるか。

・21世紀の犯罪は、マンガの悪役みたいに見るからに予想通りのやつが悪役だよな。よくできた本格推理の短篇くらい意外な犯人をおれたちは期待しているのに、まず間違いなく裏切られるのだ。

・あおり運転の容疑者を見るといい。ああまた四十代の無職か。どうりで一本ネジの抜けた顔をしてる。ネットやテレビで顔写真を見かけては、退屈な納得が繰り返される。

・友人同士というものは、ときどき会って情報をアップデートしなければいけない。

・おれたちは貧しい街で、自分たちの貧しさを卑下しながら、自分より少しだけ貧しく見える人間や仕事をバカにして生きているのだ。自分の方がまだましだと、安堵しながらね。

・心を奪えば、金を奪うのも簡単だ。

・紙の本を読まないと馬鹿になるぞ。将来、自分の子供に馬鹿にされるの嫌だろ。

・芝居だとわかっていても目の前で激しい暴力を見せつけられると、人の思考は停止してしまうものだ。

・関係のないおれたちがあのいじめ抜かれた子供たちのためにできることは、胸を痛めて祈ることくらいしかないのだ。

・ちなみに歴史家によると剣闘士競技は約700年続き、概算で350万人が死んだという。

・どんなに厳しいセキュリティがかかっていても、そいつを運営するのは人間だ。必ずどこかに穴ができるし、チェックのミスも犯す。

・単純な英語の文章でいい。ただし、なるべく長くな。そっちの方がパスワードクラッカーなんかにも強いんだ。



獣たちのコロシアム 池袋ウエストゲートパークXVI

獣たちのコロシアム 池袋ウエストゲートパークXVI

  • 作者: 衣良, 石田
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2020/09/03
  • メディア: 単行本



獣たちのコロシアム 池袋ウエストゲートパーク16 (文春e-book)

獣たちのコロシアム 池袋ウエストゲートパーク16 (文春e-book)

  • 作者: 石田 衣良
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2020/09/03
  • メディア: Kindle版



タグ:石田衣良
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『あなたのスマホがとにかく危ない』 [☆☆]

・ブランド物の洋服やバッグなんかをハッシュタグやコメント付きでインスタに投稿してたでしょう? それはここ数年よく狙われる典型なんですよ。

・一般に乗っ取られるアカウントの多くは、まったく使っていない、それこそ存在すら忘れてしまっている幽霊アカウントです。ログインしないので乗っ取られたことすら気づかない。

・リスク回避のために最低限、画質やサイズを落とす、背景にぼかしを入れる。

・赤の他人がネット上にある子供の写真を、勝手に自分の子供と偽ってSNSなどに投稿することを「デジタル誘拐」といいます。「デジタル誘拐犯」の目的は、かわいい子供の写真を投稿することで「かわいい」のコメントや「いいね!」をたくさんもらうことです。

・炎上事件を起こすような人たちは、SNSは現実の世界と同じ公の場所であるという理解が著しく欠けてしまっている。それどころか中には、内輪だけのコミュニティーだと勘違いしている人さえいる。

・現実世界でやっていけないことは、SNS空間でもやってはいけない。

・炎上した事件は、必ずバカッターやバカスタグラムの「その後」などと称するまとめサイトが作られ、個人情報が再びネットに晒されることになります。

・若い世代は、SNSの機能を使いこなすことには慣れていますが、使った際にどんな影響が出るかについては、想像力が働いていないこともよくあります。

・罵詈雑言の投稿も、話題になってスクショを撮られて拡散されれば、デジタルタトゥーになります。

・人は物事を漠然と抽象的にとらえていることが多いのです。にもかかわらず思ってしまう。「自分はローソンの看板を知っているし、描けと言われれば描ける」と。

・Twitterで「これをリツイートしたら1万円上げるよ」というツイートをします。お金に興味のある人はそれを言われた通りリツイートします。すると本当に1万円を上げるんです。次に反社会的勢力は、リツイートした人たちに声をかけてパーティをします。タダで飲み食いさせます。そうやってお金に興味のある学生などをどんどん集め、頃合いを見計らったところで、こう切り出します。「いいバイトがあるよ、やらない?」

・ネット上の言葉だけのやり取りでは、人はしばしば字面だけを見て、そこに余計な意味を嗅ぎとろうとします。

・直観力のない人は、自分で危機を回避できない。

・直感=感覚的に物事の本質を感じ取る力。直観=知識と経験に基づいて物事を論理的に読み解く力。

・指摘されるまで、それが犯罪であることに気づいていないのです。こうした自分のしていることや楽しんでいることが犯罪だと気づかない状態を「違法性の誤認」と言います。

・いまどきの反社会的勢力は、お金がらみの投稿に「いいね!」を押している若者を振り込め詐欺の受け子にするために、SNSを物色していたりするものです。

・昨今の都市生活では車を持たない家庭が増えていますから、道の名前になじみのない人も多い。だからこそ、最低限自分の家の近くの幹線道路の名前を記憶しておくこと。その道に出ることができれば、方角的に間違うことなく自宅の方向を目指すことができます。

・世の中、スマホで調べられることばかりじゃないからね。人に教えを請わないといけないこともあるわけで。質問力なんて言葉もあるほどだから、人に聞くというのも大事なスキルだと思うけどな。



あなたのスマホがとにかく危ない~元捜査一課が教える SNS、デジタル犯罪から身を守る方法 (単行本)

あなたのスマホがとにかく危ない~元捜査一課が教える SNS、デジタル犯罪から身を守る方法 (単行本)

  • 作者: 佐々木 成三
  • 出版社/メーカー: 祥伝社
  • 発売日: 2020/02/01
  • メディア: 単行本



タグ:佐々木成三
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