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『AI支配でヒトは死ぬ。 システムから外れ、自分の身体で考える』 [☆☆]

・人間にとっての基本単位である「喜怒哀楽」でさえ、ある共同体の成員が作り上げた言語ゲーム的な「生活様式」であるかもしれない。

・生命の戦略は「選択と集中」ではなくて、「過剰と間引き」なんですね。

・生物というのは「間引き」で成立している。だから、神話や物語なんかで、最大の悪として描かれるのは、だいたいカオスですよ。カオスというのは、要するに何も間引いていない状態。われわれは何でもかんでも平等には扱えない。

・いつから「統計」が「現実」になってしまったのかという問題ですよ。「統計」を「データ」と言ってもいいけど、今や、ビッグデータを分析するAIが「現実」を作り出している。

・周りはずっと言っているんだよ、「国際化! 国際化!」って。だから、そのたびに、いつも聞いてたの、「国際化って、カンボジア並み? インド並み?」って。でも、それは要するに「欧米並み」ってのを隠してるだけなんだよね。

・真似の果てに見えてくるもの、それこそが本当の個性である。

・真似て、真似て、真似ていった先で、どうしても「まねできない」ところが出てきてしまう。それだけが「個性」なんだと。

・戦前に特攻隊が可能だったということは、逆にいえば、そこまでは共同体が生きていたんだよ。今の核家族じゃそれはないもんな。だからそういうところを壊したのが一番大きなところでね。

・理解と解釈はどこが違うのか。

・日本語は論理的ではないというよりは、「構造的ではないもの」に大きく依拠しているといったほうがいいのかもしれませんね。

・自分に与えられた身体的な条件を自覚するというのは、何が変えられない必然性で、何が変えられることのできる偶然性なのかを見極めることですね。

・よく人は、データ無視の大東亜戦争(太平洋戦争)を批判しますが、それは現代人もまったく同じですね。人は、データでなくて、イメージやムードで動くんですね。

・相手の言うことを、含みを持たせて膨らませて聞くことができない。言ったことに対してただ反応しているだけ。

・50年前が見える人は、50年後もリアルに考えようとするし、百年前が見える人は、百年後もリアルに考えようとする。

・みんなが「自足」してくれると、社会ってもっと落ち着くんじゃないかなと。なんで必死になって余計なことするんだろうって。

・虫は好きになろうが嫌いになろうが無難なんですよ。この好き嫌いを、人間や、人間の作ったものに向けると面倒なことになるでしょう。

・悩みっていうのは、「人がどう見るか、人からどう見られてるか」っていうことに関するものばかりで、人間の悩みの中心にあるのはそれだけなんだってね。

・「出力」なしの「入力」って、「社交」をなくした「自意識」とも言い換えられそうですね。他者との社交がなくなると、自意識に歯止めをかける現実感覚をなくしてしまうから。

・何か不満があったとき、その原因を外に投影して他人を攻撃するので、自分を変える必然を自覚しない。それで凝り固まってしまうんでしょうね。

・『変身』の主人公のグレゴール・ザムザは、ある日目覚めると「虫」(Ungeziefer=正確には「有害生物」)になっている。

・虫専門の商業誌があるのは日本だけなんです。そういう意味じゃ、これこそ、れっきとした日本の文化なんですよ。

・日本の田舎、たとえば島根や鳥取っていうのは、純粋な人口密度で考えたらヨーロッパの平均なんだって。そういう視点にたてば、日本に過疎なんかないとも言える。



AI支配でヒトは死ぬ。 ―システムから外れ、自分の身体で考える―

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