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『ポスト・コロナ 「新しい世界」の教科書』 [☆☆]

・中国の統計数字ほどあてにならないものはありません。しかし、貿易統計だけは正しいと思っています。他国の対中輸出入統計と突き合わせて検証できます。

・今回の新型コロナ問題によって、中国を世界から分離するデカップリング(切り離し)論が出ています。

・立件民主党の枝野幸男代表は4月6日、自信のツイッターで「私たちは2月から緊急事態の宣言を求めてきました」などと書き込みましたが、実際には3月5日に「現状は緊急事態宣言の要件を満たす状況でなく、緊急事態宣言を出さなくてもいいように抑え込むことが政府の責任である」とツイートしていて、むしろ「するな」と言っていた。

・マスコミ業界から来た大学の先生は、ほとんど準備しないで、いつも授業は適当に漫談をしている。

・どの国でも、大蔵大臣なり財務大臣というのは、戦時体制では重要会議には出ないというのが鉄則なのです。というのは、意思決定の部分でケチるからです。しかし、戦時体制でケチると国の存亡にかかわる。だから大蔵大臣や財務大臣は戦時体制の意思決定にはかかわらないようにするのです。

・統計学は、ある程度対象を絞っておいて、あとは専門的に調べてくださいと、専門家に引き渡す役目なんですね。

・海外のセキュリティのきちんとした企業は、入り口のところにコインロッカーがあって、そこに私物を全部入れてからでないと入れない。

・憲法改正して緊急事態条項をつくっておかないと、いざというときに憲法を完全に無効化するしかない、ということになりかねない。それは非常に危険です。

・合理的な金銭の話にはならず、きわめて感情論になってしまう。福島原発訴訟や原発停止訴訟にしても、科学的根拠よりも住民の東電憎しの感情に沿うような判決がよく出ている。

・みんな「お金の問題じゃない」とよく言いますが、人間の誠意など、お金でしか示せない。

・「札束で頬を叩くようなやり方をするのか」とも言われるのですが、ゲンコツで殴られるより札束で叩かれた方がいいじゃないですか、といつも反論しています。

・デリバティブ商品は、それをつくれるレベルの人、つまり大学・大学院の数学科を出て、確率偏微分方程式を解ける人でないと、そのヤバさが見抜けない。

・中国の憲法の序章には、中国共産党が中国人民を指導することが明記されており、憲法よりも中国共産党の方が上位概念になっています。

・TPP(環太平洋パートナーシップ協定)には、国有企業を民営化するという国有企業改革が項目として入っています。だから中国はTPPには絶対に入らないでしょう。

・韓国はいち早くアメリカやヨーロッパから渡航禁止国に指定されました。それで逆に第2波としての海外からの感染者が国内に入ってこなかったという側面がある。

・中国が進むことになる道は、改革開放前の中国に戻るということではないかと思っているのです。どうせ輸出はできなくなるから、いま一度、共産主義化を強め、竹のカーテンを引いていく。それにより国際社会からは離れますが、共産党の支配体制そのものは維持できる。

・儒教では天命によって徳のある人物が皇帝に選ばれるとし、皇帝だけが絶対権力者でその他はみな同じという一君万民の思想があります。これが中国共産党の一党支配ときわめて親和性がある。

・新型コロナウイルスとの戦いは「見えない戦争」といわれているが、アメリカの歴代戦争での死者数と比較しても、すでにベトナム戦争を超える規模となっている。ちなみに、各戦争でのアメリカ人の死者数は、南北戦争49.8万人、第二次世界大戦29.2万人、ベトナム戦争5.8万人、第一次世界大戦5.3万人、朝鮮戦争3.7万人である。




ポスト・コロナ「新しい世界」の教科書

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  • 出版社/メーカー: 徳間書店
  • 発売日: 2020/05/29
  • メディア: Kindle版



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『現代戦争論-超「超限戦」』 [☆☆]

・中国の要人から人物評価について次のように教えられた。『三国志』のみを読んだ人は三流、『三国志』と孫子の兵法を読んだ人は二流、『三国志』と孫子の兵法のほかに『韓非子』を読んだ人は一流である。

・砲弾やミサイルなどの運動エネルギーを使った「見える戦い(キネティック戦)」と運動エネルギーを使わない「見えない戦い(ノンキネティック戦)」に区別できます。

・巧詐は拙誠にしかず(巧みに人を偽ることは、つたなくても誠実であるのに及ばない)

・重要なことは、AIに頼りすぎないことです。あくまでもAIの意見をセカンドオピニオンとして聞く態度が重要だそうです。

・マルチドメイン作戦では、「競争」と「紛争」に区分しています。「紛争以前」の「平和」と思われている時期も敵対国との「競争」が行なわれていると考え、「平和」ではなく、「競争」としたのです。

・『超限戦』の主張は、突き詰めれば、国家もマフィアやテロリストたちと同じ論理で行動しなさいということです。中国は既に中国共産党をボスとするマフィア国家なのかもしれません。



現代戦争論―超「超限戦」- これが21世紀の戦いだ - (ワニブックスPLUS新書)

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  • 出版社/メーカー: ワニブックス
  • 発売日: 2020/07/08
  • メディア: 新書



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『絶望スクール 池袋ウエストゲートパーク15』 [☆☆]

・あんたが毎日口にしてる白砂糖の精製には牛の骨からつくられた炭が欠かせない。

・子ネコや子イヌが人の心に呼び覚ますエモーションが、一番高価な値札に変わるのだ。愛は金になる。

・勝手にかわいいとかかわいくないとか難癖をつけて何百台も交配を重ね、好きなように遺伝子の発現型を操作している。今じゃティーカップからポニー大まで、イヌの大きさは選び放題だ。

・人間なら誰だって、ガッツを見せなきゃならないときがある。そんなときは、死にたくなるほどつらくとも胸を張らなきゃいけない。

・人間昔なにをしたかじゃないだろ。今なにをしているかだ。

・見たら心が汚れるようなものは、見ないようにする。

・沈黙は苦痛にならない。どんなときでもコミュニケーションが必要だなんて、今のガキは考えすぎだよな。

・警察にもできることとできないことがある。警察は得意な分野では、実に立派な仕事をする。だが、すべてが可能な組織など、この世界にはないのだ。

・小銭を稼いで、ドイツ製の自動車にのったくらいで、上等な人間になったと勘違いしてるのだろう。

・きっと自分に感情がないから、他人の激しい感情に惹きつけられるのだろう。炎のなかに夜の蛾が飛び込むように。

・この世界にはなんの理由もなくついていない人間がいる。雨は誰にも等しくふるはずだが、運の悪い誰かにはいつもどしゃぶりだ。

・おれたちは金の卵を産むニワトリを、日々唐揚げにして消費しているだけではないか。

・時間はかかってもいいからていねいに、きちんと素材の声をきき、自分に切れず、あきらめずにコツコツ仕事をする。

・高校までまったく勉強というものをしたことがないおれには、大人になってからの勉強は趣味みたいなもの。案外たのしいよ。



絶望スクール 池袋ウエストゲートパークXV

絶望スクール 池袋ウエストゲートパークXV

  • 作者: 衣良, 石田
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2019/09/12
  • メディア: 単行本



絶望スクール 池袋ウエストゲートパーク15 (文春e-book)

絶望スクール 池袋ウエストゲートパーク15 (文春e-book)

  • 作者: 石田 衣良
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2019/09/12
  • メディア: Kindle版



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