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『リベラルを潰せ 世界を覆う保守ネットワークの正体』 [☆☆]

・プーチンは近代化のエンジンとなる創造性豊かなリベラル中間層の代わりに、貧しく、政府に頼るしかない地方の保守層を支持の基盤とすることにした。

・あまり知られていないが、伝統的な家族制度や価値観の破壊を目指したソ連は、世界で初めて中絶を合法化した国でもある。

・ソフトパワーを、国が自国の文化やイデオロギーを喧伝することにより、「自らが求めるものを他国も求めるように仕向ける力」と定義した。

・かつてソ連は労働者による平等な社会というスローガンで、共産主義思想を世界に売り込んだ。

・ハリウッド映画に代表される、自由で豊かな文化はアメリカのソフトパワーといわれている。

・草の根の市民運動を、政権と対峙する組織体にまとめ上げる具体策が記されている。「シンボルとなる敵(政治家など)を作れば、市民運動は共通の敵を倒す目的で団結する」「嘲りは最も強力な武器になる」「良い作戦は仲間が楽しめるもの」「敵には圧力をかけ続けよ」といった具体的な戦略が綴られている。

・ファシズムの特徴として、伝統崇拝、合理主義に対する反動、近代世界の拒絶、非合理主義などをあげている。ファシストにとって「(フランス革命後の)啓蒙主義や理性の時代は、近代の堕落の始まりとみなされるのです」。

・ファシズムにとって個人は個人として権利を持ちません。量として認識される「民衆」こそが、結束した集合体として「共通の意思」をあらわすのです。

・エリート階級は世俗的で、国境や民族という枠にとらわれない。金融の中心であるニューヨークで働いているアメリカ人のエリートは、国内のカンザスやコロラドの同国人よりも、ロンドンやベルリンのエリートの親近感を覚える。

・婚姻を定めた憲法24条について「「両性の合意」と書いてあるところを「両者の合意」に明文化した方が、明確になるのではないか。



リベラルを潰せ ~世界を覆う保守ネットワークの正体 (新潮新書)

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  • 作者: 金子 夏樹
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2019/01/16
  • メディア: 新書



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