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『なにものにもこだわらない』 [☆☆]

・絆とは、家畜を縛っておく綱のことである。

・なにかに固執することのデメリットは、より良いものを求める努力を放棄している点にある。

・相手を説得しても、それで自分が得をすることはない。自分に、具体的な被害が及ばないかぎり、他者の姿勢を許容する方が得策だ。

・ディープラーニング(深層学習)をしたから人間を超えられる、と単純に考えることはできない。何故なら、アインシュタインもガロアも、若くして画期的な発見をしている。彼らは、多くを学ばなかったはずだ。

・葬式をする必要もない、と家族には伝えてある。ただ、葬式は遺族が主催するものであり、死んだ本人が出しゃばる問題ではないだろう、とも考えている。

・続けることはむしろ簡単であり、やめることは勇気がいる。

・形式的な立場で、「長」がついたことに気を良くして、影響力を確かめるように余計な発言をする人が、どこにでもいるものだ。

・現代人は、自分で思いついても、自分を信じることができない。ネットで調べて、そんな意見は少数派だとなれば、自分は間違っている、自分は変なことを考えてしまった、異常だった、と慌ててブレーキをかける。

・力は二人いれば二倍になるが、思考力は二人いても、二倍にならないのだ。集団の場合、決断力はむしろ低下する。

・だいたいの店は、限られたジャンルの商品を陳列しているものだが、本屋だけは、とんでもなく広範囲のコンテンツが揃っている。

・日本の雑誌は、まだまだジェネラル指向が強く、マニアックになり切っていない。ガンダムの雑誌、くらいがスペシャルさにおいて適切だと思う。

・僕が死んだときは、本当に知らせなくてもよい、と思うが、そう思うなら、生きているうちに人間関係を断っておくのが筋だろう。

・人間関係から、さまざまなイベントが発生し、個人の人生をほぼ決定している。

・戦争になるときには、「死んでも良いから戦おう」と思い込んでいる大勢がいる。死と交換しても実現したい状況があるからこそ戦争になるのだ。

・人は言葉を信じているから、物事を言葉にしたとき、そこで削ぎ落とされたものを忘れてしまう。

・商品の宣伝で使われる「拘り」というのは、「アピールポイント」と意味しかない。それを、素直な人たちが真に受けて、「拘り」は良い点のことだ、と思い込んでしまったようだ。

・「いつ、何を考えればよいのか」を見張っている頭と、それに応じて答えを返す頭が必要だ。考えない人というのは、おそらく前者の頭が休んでいるのだと思う。

・今後AIがさらに賢くなり、もっと複雑な処理も可能になるはずで、ますます人間の労働が不要になる。結局、指示されてできる仕事は、すべて人間の手から離れるだろう。

・自分が何を見ているか、何を考えているか、という自覚がまず必要であり、そのうえで、そうではないものへ目を向けるコントロールがなされなければならない。

・ほとんどの人がクリエーターになるのが、ビジネスの将来像である。



なにものにもこだわらない

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