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『説得は「言い換え」が9割』 [☆☆]

・人生は「説得」の巧拙で決まる。

・優秀な営業マンは「価格で勝負するなら営業は不要」と言い切る。商品の機能に差がなく、客が安い方を買うのであれば、営業マンの出る幕はない。

・相手が腑に落ちて納得するのは、あなたの主張を、相手が自分の価値観に転じて吟味し、その結果、「なるほど」となるからである。すなわち「言い換え」とは、相手の価値観や関心事に置き換えて提示すること。

・自分の価値観で説得するかぎり、相手の心を動かすことはできないのだ。

・説得の本質は「ごまかしの技術」ということになる。そして「ごまかしの技術」とは、新たな視点を相手に提示してみせることを言う。

・どんな状態の時でも「せっかく」と思えばいいんだよ。そうすれば、すべてが力になる。

・「取り分が減るやんけ」と、仲間からクレームがついた。そこでA氏は、こう言い換えたのだ。「ええか、仲間が増えれば今度は連中が仕事を持ってきよる。長い目で見たら、どっちが得か、おまえかてわかるやろ」

・課題があるんだったら、それをどう乗り越えましょうか、というところに発展がある。課題があるからやめるというのは、負け犬の発想だ。

・「対立じゃない。隔たりと言え」と即座にたしなめられたという。対立は戦いであり、「勝った」「負けた」になるが、「隔たり」には勝敗はなく、「お互いが、それぞれの意志で歩み寄るという形になるため、双方の顔が立って話をまとめやすくなる」。

・「酔っていて」と言い訳するのはよくあるパターンで、(悪いのはお酒で、私は悪くない)と、無意識に自己正当化を図る。

・人間は大人も子供もプライドがあるため、「やれ」と命じられれば反発するが、「できるか?」と問われて、「できない」と、返事するのは屈辱的な気持ちになる。だから、前向きの返事が返ってくるというわけだ。

・「お並びいただけますでしょうか?」と、疑問形の言い換えでお願いをする。客にしてみれば、「並んでもらえるか」という問いかけによって、「じゃ、並びましょう」と、自分の意志で決断したものと錯覚するため、待たされても不満が出ないというわけである。

・疑問形に対する回答は「自分の意志」であり、「自分が決める」という主体性をキープしたままであるため、反発心が起こりにくい。

・選び取るとは、他のものを捨て去ること。未練をいかに残さないか。その覚悟が問われているのだ。

・迷うことなく仕事に邁進させようとするなら、言い換えによって「過程」から目をそらさせ、「結果」を強調すればいい。



説得は「言い換え」が9割 (光文社新書)

説得は「言い換え」が9割 (光文社新書)

  • 作者: 向谷 匡史
  • 出版社/メーカー: 光文社
  • 発売日: 2015/04/16
  • メディア: 新書



説得は「言い換え」が9割 (光文社新書)

説得は「言い換え」が9割 (光文社新書)

  • 出版社/メーカー: 光文社
  • 発売日: 2015/04/20
  • メディア: Kindle版



タグ:向谷匡史
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『不死身の特攻兵 軍神はなぜ上官に反抗したか』 [☆☆]

・203高地を攻撃する決死隊の白襷隊の一員だった。夜間、白い襷を肩からかけて、高地の斜面を登り、敵陣地を強襲しようという部隊だった。だが、白い襷は、夜の闇の中でかえって目標になった。決死隊の白襷隊は全滅に近い悲劇にあった。

・特攻隊は神様なんだ。その神様を人間扱いにしヒボウするとはけしからん。それが分からんとは、貴様は非国民だぞ!

・特攻隊の全員が志願なら、自分たち上官の責任は免除されます。が、命令ならば、戦後、おめおめと生き延びていたことを責められてしまいます。戦後自刃しなかった司令官たちは、「すべての特攻は志願だった」と証言します。

・敗戦の責任に対するいわゆる「一億総懺悔」と呼ばれるものです。「命令した側」と「命令を受けた側」をごちゃ混ぜにした、あきれるほどの暴論です。どんな集団にも、リーダーと部下がいて、責任を取るのは、「その指示を出したリーダー」です。その指示に従った部下まで責任を取るのなら、「責任」というものは実質的には無意味になります。

・昭和天皇は好戦主義者ではなかったが、平和主義者だったということもできない。昭和天皇が何より大切にしていたのは「皇統の継続」で、それがあらゆる判断に優先した。

・特攻が続いたのは、「戦争継続のため」に有効だったから。戦術としては、アメリカに対して有効ではなくなっていても、日本国民と日本軍人に対しては有効だったから、続けられた。

・ダメな人ほど、「心構え」しか語りません。それしか語れないということは、リーダーとして中身がないのです。

・「精神」だけを語るのはとても簡単なのです。けれど、自分たちを分析し、相手を分析し、必要なことを見つけ出すことがリーダーの仕事なのです。

・勝ち戦の功績は自分のものとし、悲劇の責任は「異常」といってすむなら、軍人くらい気楽な職業は世の中にあるまい。

・「世間」とは「現在、および将来においてなんらかの利害・人間関係がある、または生まれる可能性のある人たち」のことです。現在も将来も関係のない場合は、「社会」です。

・大損もせず、持ちつ持たれつの関係を続けるのが「世間」です。

・知らない相手と協同活動を成立させるためには、「社会」という「自分を関係のない人」を交渉相手にすることを当たり前にしなければなりませんでした。

・自我は集団我をふくんで拡大強化される。そうして集団の持つ決定力を、自己の決定力と思い込み、集団の実行力を自分の実行力とみなすようになり、自我は集団我によって強化されることで、個人の決定不足を一応解消することができる。

・「集団我」が効果的に発動すると、例えば「駅伝」で、自分一人のマラソンでは想像もつかない頑張りができて、自分で自分の結果に驚くなんてことが起こります。

・「集団我」が悪く働くと、大勢だと威勢がいいが、一人になると何もできない人間になります。

・何人死ねば、この真夏の大会は変わるのだろう。こう書くと、「甲子園大会を冒涜するのか!」と叫ぶ人がいます。ですが、怒る人は、「命令した側」と「命令された側」を混同するのです。「命令した側」への批判を、「命令された側」への攻撃だと思うのです。

・どんな社会的な運動も「当事者」よりも「傍観者」の方が饒舌になります。思い入れを熱く語るのは、当事者になれなかった傍観者、または当事者になりたかった傍観者です。



不死身の特攻兵 軍神はなぜ上官に反抗したか (講談社現代新書)

不死身の特攻兵 軍神はなぜ上官に反抗したか (講談社現代新書)

  • 作者: 鴻上 尚史
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2017/11/15
  • メディア: 新書



不死身の特攻兵 軍神はなぜ上官に反抗したか (講談社現代新書)

不死身の特攻兵 軍神はなぜ上官に反抗したか (講談社現代新書)

  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2017/11/14
  • メディア: Kindle版



タグ:鴻上尚史
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『キノの旅 XXII』 [☆☆]

・やらなくてもすむようになったらやりたくなるとは、なんとも皮肉なもんだね。

・一度割れた一枚岩は、もう二度と元に戻らない。

・金持ちだけの国では駄目です。貧富の差がはっきり分かれている方が、富裕層の金遣いが荒くなります。

・不安を抱えたまま生きていくのは辛いことです。少しでも解決する方へ、進まなければなりません。

・金持ちは金持ちを助けたがる。なぜならその方がお金になるからだ。

・人ってのは、価値を認めてくれるところに行かなければ、輝く者も輝けない。

・ただ単に血が繋がっているというだけの「赤の他人」だ。

・周囲に頼れる人がいない大自然の真ん中では、事故はもちろん、脱輪するだけでも大変なことになります。己の技量を過信せず、無理のない速度を保つことが重要です。

・嘆いてばかりじゃなくて、いつか舞い込む幸運を掴むために、少しずつでも行動を重ねていこうぜって事を伝えたかったんだが。



キノの旅XXII the Beautiful World (電撃文庫)

キノの旅XXII the Beautiful World (電撃文庫)

  • 作者: 時雨沢 恵一
  • 出版社/メーカー: KADOKAWA
  • 発売日: 2019/07/10
  • メディア: 文庫



キノの旅XXII the Beautiful World (電撃文庫)

キノの旅XXII the Beautiful World (電撃文庫)

  • 出版社/メーカー: KADOKAWA
  • 発売日: 2019/08/10
  • メディア: Kindle版



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