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『戦場の掟』 [☆☆]

・金のためにやってきて、生活のために居残る。

・自分はイラク戦争に参加する。イラク戦争は歴史の一部だから、自分はたとえ死んでも歴史の一部になる。

・人を殺すことをロマンティックに表現して、それが自分たちのやりたいことだと極論している。そういう話をして、面白いとか、通過儀礼だとかいってはならない。人を殺すことで男らしさが証明できるわけではない。

・「忠誠がへたなジョークのオチでしかない」民間人の生活には幻滅した。

・軍はたしかに杓子定規なところはあるが、規則を守り説明責任を果たすというカルチャーがある。

・ボンズのくだらないおしゃべりを聞いていると、この男ひとりを取材している記者の方が、イラク全土にいる記者よりもずっと多いにちがいないと気づいた。

・スポーツ界のスターを目指す若い運動選手に、暗黙のメッセージが送られます。夢を実現するために、若者たちもこうした危険な薬物を注射したり摂取したりするおそれがあります。

・戦争は避けられない。キャンセルできない。自分の利益になるように引き延ばすことだけができる。

・常に標的になっているというのは人を消耗させる。鹿になるのはつらい。

・必要なければいらないだろうという考え方に、なかなか慣れない。海兵隊では、必要なときにないよりは、必要なくてもあった方がいいと考える。

・毎日働きづめだ。たまには一歩離れて、じっくり観察し、自分に問いかけるべきなんだ。「俺は何のためにここに来たのか? これをやっている本当の理由は? 本当に遣り甲斐のあることなのか?」 でも、出かけていっては攻撃を受けるという繰り返しだ。そのうち無感覚になる。そして、ただやるだけになる。

・普通の生活がしたいんだ。ずっとそうなんだ。でも、そういう人間じゃないとわかってる。

・頭の中で思い描いたことは、けっして消えない。自分で見た物語や聞いた物語のすべてが、やがてひとつのおぞましいスライドショーになる。

・イラクがこのまま続いていけるのは抽象化しているからだ。真の現実や画像や描写がない。暴力を抽象化し、血なまぐさいところをなくし、個人の問題ではないようにすると、現実から乖離してしまう。

・アメリカ人に殺されて親類や友だちを亡くし、下手人のアメリカ人が何も罰を受けずに護られているという状態では、アメリカの新たな敵が増えるばかりだ。

・おい、みんな、こんな優越感をちらつかせた批判には加わっちゃいけない。

・兵士として国に派遣されたときには、人の命を奪っても罪に問われない。結局は自分を許せる。でも、家を買いたいというような理由から、商売としてやるときには、自分の存在に関わる問題を抱えることになる。



戦場の掟

戦場の掟

  • 作者: スティーヴ・ファイナル
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2009/09/25
  • メディア: 単行本



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